矢部克已「ニッポン、いい店(ショップ)いい工場(ファクトリー)#2」山形 – 佐藤繊維

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前号から始まった新連載。日本有数のショップと工場を交互に紹介する。第2回目は工場編。ⅣものづくりニッポンⅣのプライドを世界に示す、卓越した技術力を持つ工場が山形にある! 糸の紡績から自社ブランド品の製造、さらに直営ショップの経営までと、世界でも稀なつくり手だ。

佐藤繊維 外観

今月のいい工場(ファクトリー)
山形 – 佐藤繊維

矢部克已さん

教えてくれる人
ファッションジャーナリスト
矢部克已さん

メンズファッション誌編集部を経てイタリアに渡る。フィレンツェ、ナポリ、ヴェネツィア、ミラノに移り住み、本場の服飾文化をたっぷりと吸収して帰国。年2 回開催するピッティ・ウォモを必ず取材する。常に「ファッションの現場」が気になるいま、この連載に力を込める。

4代目が受け継ぐ糸づくり、世界のスペシャリストを唸らせる糸とニットの傑作

2016年ピッティ・ウォモ、極上ニットの出品で話題沸騰

空路で向かった。山形空港から車で約20分。JR左沢(あてらざわ)線、寒河江駅のそばに「佐藤繊維」の本社と工場がある。造り酒屋の重厚な石蔵を譲り受け移築した建物は、ひと際目立つ存在だ。

【歴史】

「佐藤繊維」は、山形の土地柄を生かした米農家兼養蚕農家だった。明治維新後、紡績業の拡大が国策(綿羊百万頭計画)となり、東北や北海道など、1農家に1頭の羊を飼い、農業の閑散期に羊毛を採取した。1932年、佐藤長之助が紡績会社「佐藤繊維」を創業。手紬の糸づくりを2代目が工業化し、3代目が紡績事業に加え、ニットウェアをつくり始めた。

Good President!<br />代表取締役社長であり、糸作家の佐藤正樹さん。オリジナルの糸をつくるため、すべての工程を一から見直し改良を続けた努力家だ。名門、日大山形高校時代にボクシングで腕をならした。

Good President!
代表取締役社長であり、糸作家の佐藤正樹さん。オリジナルの糸をつくるため、すべての工程を一から見直し改良を続けた努力家だ。名門、日大山形高校時代にボクシングで腕をならした。

「991」のヴェストの量産に入る前に各パーツをつくる。サンプルのパターンや風合いどおりに各パーツが上がっているかをチェックする。

「991」のヴェストの量産に入る前に各パーツをつくる。サンプルのパターンや風合いどおりに各パーツが上がっているかをチェックする。

ニット地を突合わせで縫う巧みなミシン縫製。縫製部分に厚みがない。

ニット地を突合わせで縫う巧みなミシン縫製。縫製部分に厚みがない。

Good Material!<br />写真中央の、他の糸に比べて繊細でヘアリーな糸が、世界有数のラグジュアリーブランドの糸のスペシャリストを唸らせた、52m/gの極細モヘア。「FUUGA」と呼ぶ。

Good Material!
写真中央の、他の糸に比べて繊細でヘアリーな糸が、世界有数のラグジュアリーブランドの糸のスペシャリストを唸らせた、52m/gの極細モヘア。「FUUGA」と呼ぶ。

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