オススメはハイブリッドかEVか? 新型メルセデス・ベンツCLAで世界自然遺産、知床半島を駆け巡った!

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3代目CLAはハイブリッドとEVの2本立て

3代目CLAはハイブリッドとEVの2本立てに

CLAは、2013年にコンパクトクラスのAクラスの派生モデルとして誕生したセダンおよびシューティングブレーク(ワゴン)。2019年に2代目となり、そして今年7月、3代目となる新型が国内導入された。

新型CLAのボディタイプはセダン(写真左)とシューティングブレーク(右)
新型CLAのボディタイプはセダン(写真左)とシューティングブレーク(右)の2種類。

新型CLAがユニークなのは、ハイブリッドとBEV(電気自動車)という2つのタイプを同じプラットフォーム、同じデザインで両立させていること。

メルセデスはかつて「市場が許せば2030年までに新車販売を100%BEV化する」という目標を掲げ、新型CLAは当初BEV専用として開発されていた。しかし、市場のBEVに対するニーズは想定していたほどには伸びず、方針転換を行い新開発のプラットフォーム「MMA(メルセデス・ベンツ モジュラーアーキテクチャー)」をハイブリッドとBEVの両方に対応できるフレキシブルな設計にしたというわけだ。

そして日本市場では新型 S クラスに続いて、メルセデスが自社開発したオペレーティングシステム「MB.OS(Mercedes-Benz Operating System)を採用する。これにより「ハイ、メルセデス」でおなじみの音声認識システムMBUXは第4世代へと進化し、複数の生成AI を 1 つに統合したMBUX バーチャルアシスタントを搭載する。日常的な話し相手になってくれるし、友人が訪ねてくるからおもてなししたいといえば、観光地やレストランをリコメンドしてくれる、コンシェルジュのような使い方ができる。

いま自動車の世界では、「SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)」というワードが注目されている。これを直訳すると「ソフトウェアによって定義される自動車」ということになる。クルマづくりは従来のハードウェアありきから、ソフトウェア先行にかわりつつある。スマートフォンのようにOTA(Over The Air)によって継続的にアップデイトされ、個人への最適化が可能になってきた。将来的な自動運転も見据え自動車各社はこぞってSDVの開発に取り組んでいる。メルセデスはその先頭にたつブランドというわけだ。

色とりどりの新型CLA
試乗の出発地点である女満別空港に用意された色とりどりの新型CLA。

今回、先行導入されたハイブリッドと、まだ国内導入がはじまったばかりのBEVという2モデルを比較試乗する機会が与えられた。場所は北海道・知床、世界自然遺産の大自然のなかを2日間にわたって駆け巡った。

Cクラスなみのボディサイズで、しなやかになった足回り

1日目の出発地点は、女満別空港。駐車場にはハイブリッドの「CLA220」が用意されていた。丸く愛らしいスタイリングだが、コンパクトというのが憚られるほど立派なサイズ。それもそのはずで全長4730mm、全幅1835mmとほぼCクラスと同等で、後席などは新設計のプラットフォームの恩恵もあってCLAのほうが広いくらいだ。

ハイパースクリーン
インストゥルメントパネル全面がガラスに覆われた未来的なデザインの「ハイパースクリーン」。

車内に乗り込むと、インストゥルメントパネルが全面ガラスに覆われた「ハイパースクリーン」になっている。これは上級モデルから採用がはじまったものだが、新しさを感じさせてくれる。車内カメラも備わっており、知床まできて遠慮したいが、オンラインミーティングに参加することも可能だ。

「CLA220」のパワートレインは、1.5リッター4気筒ターボエンジンとモータ―を内蔵する8速ATを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様。最高出力190PS、最大トルク300Nmを発揮する。低速域では、EV走行も可能で速度がのってくるとエンジンが始動する仕組みだ。

女満別空港を出発し、約57km先にある屈斜路湖を目指す。EV走行からエンジンが始動する切り替わりのタイミングもスムースで、排気音も意外なほどスポーティなもの。8速ATも切れ味するどくシフトチェンジしてくれるので、軽快でリズムよく走ることができる。

シャシーは四輪ともマルチリンク形式を採用しており、先代モデルに比べて乗り味がしなやかになった。試乗車はオプションのAMGラインパッケージを装着車で、標準より1サイズアップの19インチタイヤを履いていたこともあり、ときおりあれた凸凹道で大きめの突き上げを感じる場面もあったが、ボディ剛性は高く、ハンドリングもドライバーの意思に忠実で、このクラスとしてはとても快適なものだ。

ワッカトマリ
屈斜路湖のほとりにあるカフェ「ワッカトマリ」。
キンキのお茶漬け定食
ランチは出汁の味がやさしいキンキのお茶漬け定食を選択。
天然露天温泉の池の湯
ワッカトマリの隣には、天然露天温泉の池の湯がある。入場は無料。

屈斜路湖のほとりにあるカフェ「ワッカトマリ」でランチ休憩。ここは2つの客室がありそれぞれが一棟貸し切りの宿となっている「ワッカヌプリ」が経営するカフェで、地元の食材をつかった体にやさしい食事がいただける。店の脇には天然露天温泉の池の湯もあるので、ひとっ風呂浴びてからランチなんてことも可能だ。

カヌーツアー
屈斜路湖から釧路川をカヌーツアーに参加。水の透明度は北海道でも随一のもの。
浅瀬でのティータイム
浅瀬でのティータイムは、まさに天国気分が味わえる。

ランチ後は、屈斜路ecoツアーズに参加し、カナディアンカヌーで屈斜路湖から釧路川へと向かう川下りを体験。北海道でもトップクラスという澄んだ水の中には、エゾイワナやイトウが泳ぎ、水面の近くをカゲロウや水鳥が飛んでいく。そして、湧き水が溜まる神秘的なスポット「鏡の間」では、エゾシカのむれに遭遇。その後、中洲にカヌーを停めて、浅瀬にチェアを並べて大自然に身を委ねてのティータイムは、ここがカヌー愛好家にとって天国といわれる理由がわかる極上の体験だった。

北こぶし知床ホテル&リゾート
知床半島の玄関口ウトロにある「北こぶし知床ホテル&リゾート」。

ツアー終了後は、屈斜路湖から約95km、宿泊地である「北こぶし知床ホテル&リゾート」を目指す。途中、どしゃ降りの雨に見舞われたが、新型CLAの挙動はいたって安定していた。またレーンキープアシストの車線認識の精度が高まっており、雨中であっても車線からはみ出しそうになったら的確に戻してくれるため、安心して走行することができた。

「北こぶし知床 ホテル&リゾート」は世界自然遺産である知床半島の玄関口ウトロにある。世界的にみても世界自然遺産にこれほどアクセスのよいホテルはめったにないという。ライブ感にあふれたオープンキッチンによるビッフェ形式の夕食や朝食、抜群の音響環境を誇るラウンジでのアルコールなど、すべてがオールインクルーシブ。またオホーツク海を一望する露天風呂やサウナシュランで殿堂入りしたサウナなど、格別の体験が味わえる。

オープンキッチンによるビッフェ形式
夕食や朝食はオープンキッチンによるビッフェ形式で、オールインクルーシブ。
サウナシュランで殿堂入りしたオホーツク海を見渡すサウナ
サウナシュランで殿堂入りしたオホーツク海を見渡すサウナ。冬には流氷も見られる。屋上にある整いスペースも素晴らしい。

世界自然遺産を排気ガスゼロでドライブする心地よさ

翌朝ホテルをチェックアウトして、この日は半日をかけて知床半島をドライブすることに。試乗車はEV仕様の「CLA200 with EQ Technology」に乗り換えた。少々長いけれど、メルセデスはEV仕様の車名に“with EQ Technology”を付帯する法則をとっている。

「CLA200 with EQ Technology」は、リアにモーターを搭載する後輪駆動車。ハイブリッドは前輪駆動なので、おなじルックスながら中身はまったく異なるというユニークな構成となっている。

スペックは最高出力224PS/最大トルク335Nm、一充電走行距離(WLTCモード)は525km。いわゆるスタート/ストップボタンなどはない。シートに腰かけて、ステアリングコラムの右手にあるシフトセレクターをDレンジに入れるとシステムが起動し、走りだすことができる。

CLA200 with EQ Technology
後輪駆動ならではのトラクションを活かしてワインディングを走る「CLA200 with EQ Technology」。

まずは知床峠を目指した。EVゆえあたりまえのことが、音もなくスルスルと動き出す。車両重量がハイブリッド仕様比で370kgも重くなるのだが、それを感じさせないくらい力強く加速する。後輪が前へ前へと押し出していることを感じるし、ハンドリングもとても素直なもの。展望台に到着すると、それまで曇っていた空に光がさし、北方領土の国後島をはっきりと見渡すことができた。

展望台から羅臼町へと向かった。道中はタイトなコーナーが連続するワインディングロード。ここではステアリングに備わるパドルを駆使して回生ブレーキを調整しながら走った。右のパドルで「インテリジェント回生」と「回生なし」、左のパドルで「通常回生」と「強力回生」の切り替えが可能で、直線では回生なし、コーナーが近くなると通常、最大とシフトアップ&ダウンの要領で走行することができる。コーナーの立ち上がりで後輪のトラクションを感じながら、ちょっとしたスポーツカー気分が味わえる。

世界自然遺産
さすがは世界自然遺産で、道すがらエゾシカやキタキツネなど、多くの動物に遭遇する。

羅臼町から相泊を目指す。クルマで入ることができる日本最北東の場所だ。地元の漁師の町で、ここから先、知床半島の先端を見たければ、観光船で船上からということになる。世界自然遺産である知床半島を巡るドライブで、排気ガスを出さないというのは環境のことはもちろん、メンタルヘルス的にもいい気がする。

天に続く道
全長約28.1kmにわたって一直線にのびる「天に続く道」。

ウトロに戻ってランチをとったのち、女満別空港へと帰途につくことに。途中、斜里町と小清水町を結ぶ、全長約28.1kmにわたって一直線にのびる「天に続く道」を経由する。アップダウンする大きな波のようなうねりのさきに、天から夕日が降り注ぐそれは幻想的な風景を見ることができた。

試乗を終えて、見た目はほとんど変わらないのに前輪駆動で軽快なハイブリッド、後輪駆動でスポーティなEVと、まったくキャラクターが違うことにこれまでにはない新しさを感じた。ぜひ比較試乗されることをおすすめしたい。

世界自然遺産、知床半島でのドライブ
人生に一度は体験してみたい、世界自然遺産、知床半島でのドライブ。

ちなみに、いま北こぶし知床 ホテル&リゾートでは、2026年11月30日(月)宿泊分まで、1日1組限定で新型CLA試乗つきの特別宿泊プランを販売中。予約は北こぶし知床 公式Webサイト(https://www.shiretoko.co.jp/)にて。ぜひご自身で新型CLAのステアリングを握って、世界自然遺産、知床半島でのドライブを満喫ください。

 

取材・文/藤野太一 写真/メルセデス・ベンツ日本

2026

VOL.351

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