オーナーとデザイン・スタジオが編み出すスペシャルプロジェクトの結晶
フェラーリは2026年8月、スペシャルプロジェクトプログラムによる新たなワンオフモデル「CZ26」を発表した。フェラーリ・デザイン・スタジオ(Ferrari Design Studio)と米国の顧客との共同プロジェクトから生まれた一台であり、V8プラグインハイブリッドスーパーカー「SF90 ストラダーレ」をベースに、高性能ベルリネッタというコンセプトを未来志向のデザインで再解釈した特別なモデルだ。フェラーリが培ってきたクラフツマンシップと先進技術、そしてオーナーの理想を融合した、世界に一台だけの存在として製作された。
CZ26は、SF90ストラダーレが備える卓越したパフォーマンスを土台に、新たなスタイリングアイデンティティを構築した。開発のテーマは、日常的な要素を排し、強さと精密さ、そして造形の純粋さを追求すること。水平基調を強調したプロポーションと、ひときわ印象的な2ボックスシルエットによって、近未来的でありながらフェラーリらしい躍動感を兼ね備えたフォルムを実現。中央に据えられたキャビンと力強く張り出したホイールアーチが、路面に吸い付くような安定感を演出し、彫刻的なボディサーフェスが新たなデザイン言語を印象づけている。
エクステリアは細部に至るまで専用設計だ。専用ライトユニットやフロントエアインテーク、リアディフューザー、大型リアスポイラーを採用し、空力性能とデザイン性を高次元で両立。ボディカラーには液体金属のような質感を持つ専用色「Argento Veloce」を採用し、アクセントカラーの「Rosso Lampante」が機能的なディテールを際立たせる。さらに専用設計ホイールや露出したカーボンファイバーを組み合わせることで、テクニカルかつ洗練された印象を与えている。インテリアも専用テクニカルファブリックや積層構造のシート、専用刺繍などによって、エクステリアと統一された世界観を構築した。
ベースとなるSF90 ストラダーレは、フェラーリ初の量産プラグインハイブリッドモデルとして誕生し、1000psを発揮するV8ハイブリッドパワートレインを搭載。モータースポーツで培った技術をロードカーへ展開した革新的なモデルとして、フェラーリの電動化時代を切り拓いた存在である。CZ26は、その卓越したダイナミクスとパフォーマンスを受け継ぎながら、ワンオフモデルならではの造形美を追求した。
フェラーリのスペシャルプロジェクトは、顧客とフェラーリ・デザイン・スタジオが密接に協力しながら、一台ごとに新たなデザインを生み出すプログラムだ。CZ26も、その思想を体現する作品として誕生した。ブランドの歴史や技術を尊重しながら、新たなデザインへ昇華したこの一台は、フェラーリが考える究極のパーソナライゼーションを象徴する存在といえるだろう。





