【新連載】ラグジュアリーは系譜に宿る
Genealogy (1) PORSCHE 911
時代を超えて選ばれるクルマには、受け継がれてきた美意識がある
そのスタイルは時代ごとに磨かれる
ラグジュアリーとは、単に高価であることではない。素材、性能、機能だけでもない。時代を超えて選ばれるクルマには、受け継がれてきた思想や美意識、技術の積み重ねがある。つまり、ラグジュアリーは系譜に宿る。そう考えるとき、連載の第一回にポルシェ911を選ぶ意味は明快だ。
1960年代の初代以来、911はひと目でそれと分かる輪郭を守り続けてきた。丸いヘッドライト、低く構えたフロント、なだらかに後方へ落ちるルーフライン、そしてリアにエンジンを置く独自のプロポーション。変わらないことは停滞ではなく、911にとっては進化の基準だった。何を変え、何を残すべきか。その見極めこそが、このクルマの価値を磨いてきた。
最新の992型、なかでも911 カレラ GTSは、その系譜の現在地を示す一台である。姿は紛れもなく911でありながら、内側にはT-Hybridという新しい技術を宿す。効率だけでなく、レスポンスや加速、走りの質を高めるための電動化。そこには、時代の要請に応えながらも911らしさを研ぎ澄ませる、ポルシェの知性がある。
911の贅沢は、豪奢さを声高に語らない。受け継がれる輪郭に、時代の知性を宿す。その系譜こそが、このスポーツカーを特別な存在にしている。
系譜の先端に立つGTS
[MEN’S EX Summer 2026の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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