【名品に見る、メゾンの本質】Hermès(エルメス)のカレ

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名品に見る、メゾンの本質

本質的価値を備えた一流メゾンには、その歴史や哲学を脈々と受け継ぐマスターピースが必ず存在する。シーズンを重ねてデザインは変わっても、本質の輝きは普遍。そんな美しき名品を過去と現在の視点を交えながら紹介しよう。

Hermès(エルメス)のカレ

Hermèsのカレ
左:77.5×77㎝。8万1400円、右:100×100㎝。16万6100円(以上エルメスジャポン)

それは、首元にまとう自由

エルメスが「カレ」と名づけたスカーフを発表したのは1937年。図案は後に4代目当主となるロベール・デュマの制作で、当時のボードゲームを題材にした遊び心あふれるものだった。以来エルメスは、極上の素材で織り上げた正方形のキャンバスに色とりどりの世界を描き出していく。時にクラシック、時にユーモラス、時にファンタジック。その表現は縦横無尽で、私たちを無限の創造的世界へと誘う。カレを身につければ、どこか新しい場所へ踏み出したくなる。そんなエネルギーに満ちた名品なのだ。写真はともに今季の新作。左は巻乗り・三湾曲・旋回といった乗馬の動きをグラフィカルに図案化したシルク製。右はHERMÈSの文字に遠近法的なパースをつけたカシミアシルク製だ。どんな装いに、どんな巻き方で身につけてもいい。首元にまとえば、自由の風が吹いてくるのを感じるはずだ。

巻き方にも表れるメゾンの自由さ

スカーフの巻き方

エルメスはスカーフの巻き方提案も実に面白い。左は細くねじったカレに複数のリングを通したうえで、ネックレスのように着用。右は三角形に折り、ふわりと無造作に巻いてロマンティックな雰囲気に。



[MEN’S EX Autumn 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み

2025

VOL.347

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