ブランドの電動化とラグジュアリーSUVの新たな基準を打ち立てる
レンジローバーは2026年9月、ブランド初の電気自動車「レンジローバー エレクトリック(RANGE ROVER ELECTRIC)」を発表した。1970年の誕生以来、ラグジュアリーSUVの先駆者として独自の地位を築いてきたレンジローバーが、いよいよ本格的なEV時代へ踏み出す。「EVであることより、RANGE ROVERであることが第一」という理念のもと、静粛性や滑らかな走りといった電動化の利点を取り込みながら、伝統のラグジュアリーとオールテレイン性能をさらに高めることを目指した一台だ。
前後にモーターを搭載し、システム最高出力550ps/最大トルク850Nmを発生。0→100km/h加速は4.45秒を実現する。実用容量118.5kWhのリチウムイオン・ダブルスタックバッテリーと800Vアーキテクチャを採用し、WLTP航続距離は最大372マイル(約599km)。最大350kWのDC急速充電に対応し、10%から80%まで約22分、10分間で220km分を充電できるなど、長距離移動を前提とするラグジュアリーSUVにふさわしい実用性も備えた。
注目は、EV化を走破性能のためにも積極的に利用していることだ。新開発のインテグレイテッド・トラクション・マネージメントは、**モータートルクを50ミリ秒以内で制御し、内燃機関モデルに比べ最大100倍速くスリップを管理。シングルペダル・モードとの連携によって最大45%の勾配を走行できるほか、最大渡河水深も900mmを確保する。**低重心化やツインチャンバー・エアサスペンションと合わせ、オンロードでの洗練性とレンジローバー伝統の悪路走破性を両立させた。
デザインもEVであることをことさらに主張しない。現行レンジローバーのリダクティブな造形を継承しつつ、グリルやホイール、専用アンダーボディを空力面から最適化。電気推進システムによってブランド史上最も高い静粛性を実現し、レンジローバーならではの落ち着いた室内空間をさらに深化させている。
開発では世界各地で150万kmを超える走行テストと25万時間以上のバーチャルテストを実施。関連する特許出願も300件を超え、レンジローバー史上最多となる見込みだ。生産は1970年以来ブランドを支えてきた英国ソリハル工場で行われ、MHEV、PHEV、内燃機関モデルと同じアーキテクチャを用いる。半世紀以上にわたり磨いてきた価値を電動化によって置き換えるのではなく、その先へ進める。レンジローバー エレクトリックは、まさに新時代のレンジローバーを象徴するモデルといえるだろう。
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