巨匠ジジの精神を継ぎ、クラシックを進化させ続ける〈サルトリアダルクオーレ〉

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SARTORIA DALCUORE(サルトリア ダルクオーレ)
巨匠ジジの精神を継ぎ、クラシックを進化させ続けるサルトリア

ナポリの仕立て界で、いま最も確かな存在感を放っているのがサルトリア ダルクオーレだ。“ジジ”ことルイージ・ダルクオーレ氏が築いた美の哲学は、娘クリスティーナ氏と夫ダミアーノ氏へと受け継がれている。2026年、サルトリアは60周年を迎える。

サルトリア ダルクオーレの娘クリスティーナ氏と夫ダミアーノ氏

[左]Damiano Annunziato(ダミアーノ・アンヌンツィアート氏)
[右]Cristina Dalcuore(クリスティーナ・ダルクオーレ氏)

故ルイージ・ダルクオーレ氏の娘クリスティーナ氏と夫のダミアーノ氏。サルトリアの前のカラッチョロ通りにて。眼前のナポリ湾を挟んで、視界の奥に卵城とヴェズーヴィオ山が広がる。ダミアーノ氏は「レ・マーニ・ディ・ナポリ」のゼネラル ディレクターとして辣腕を発揮。組織を見事にまとめあげている。

若き力とともに歩み始めたダルクオーレの新章

カラッチョロ通りを挟んで、広大なナポリ湾が広がる。左にソレント半島とカプリ島を望み、右にはポジリポの丘の斜面に沿って連なる色彩の帯が続く。窓を開けると、潮風が静かにアトリエを包込む。サルトリア ダルクオーレはナポリの美しさとともに呼吸しながら、その歴史を歩んできた。

ダルクオーレの美を象徴するジャケット
男性的な力強さと女性的な甘さが融け合った、ダルクオーレの美を象徴するジャケット。襟周りの顔つき、バランスの見事なハーモニー。

巨匠ルイージ・ダルクオーレ氏は2021年2月にこの世を去ったが、氏が生み出した、力強くも甘やかな“リネア(スタイル)”は、娘のクリスティーナ氏とその夫のダミアーノ氏によって、愛とリスペクトをもってしっかり受け継がれおり、輝きは今も褪せていない。二人はトランクショーで、ニューヨーク、ロンドン、パリ、中東、東南アジア、日本を飛び回る多忙な日々を送っている。

クリスティーナ氏はジジの生前から仕立て学校に通った
何かを継ぐだけでなく、ほかの師からも学びたいと考え、クリスティーナ氏はジジの生前から仕立て学校に通った。“確信”と同時に“問い”も生まれ、「これこそが人生をかける仕事」であると気づいたという。
サルトリアには世界中から客が訪れる。
サルトリアには世界中から客が訪れる。

ユニークな変化は、若い女性の職人が増えた点だ。ルイージ氏は生前、「縫い目ひとつにも、それを縫った人の物語が宿る」と語っていたが、今のダルクオーレの服は、より母性的な優しさを仕事の中に宿すようになった。サルトリアの世界において、女性が主役となるのは静かな革命だ。

ここ数年で20代の女性の職人が増えた。
ここ数年で20代の女性の職人が増えた。

「レ・マーニ・ディ・ナポリ」が、新しい風を生み出す原動力となったのだ。クリスティーナ氏は語る。

「私の夢は、サルトリアが人生や芸術の一部として、文化と美の灯台となることです。『レ・マーニ・ディ・ナポリ』には、若者を育て、雇用を生み、誇り高くエレガントで、活気ある新しいナポリを世界に伝える存在になってほしい。私たちの手と心で築く未来の姿です」

タリアトーレ(カッター)も30代(経験は20年)。新しいサルトリア ナポレターナの象徴だ。
タリアトーレ(カッター)も30代(経験は20年)。新しいサルトリア ナポレターナの象徴だ。

新生ダルクオーレは、ジジの精神を受け継ぎ、進化し続けている。

サルトリア ダルクオーレ

DATA
ナポリ湾沿いにサルトリアを構える。穏やかな光と風が、彼らの手仕事に柔らかなエレガンスをもたらすのだ。スーツ€ 5,000〜。
Via Francesco Caracciolo, 17, 80122 Napoli
TEL. +39 081 764 5785
URL:https://www.sartoriadalcuore.com/

 

撮影・コーディネイト・構成・文=藤田雄宏〈AFTERHOURS〉

[MEN’S EX Winter 2026の記事を再構成]

2025

VOL.348

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