“アメリカンスーパースター”コルベットのハイパフォーマンスモデル「Z06」。そのV8NAエンジンの実力を探る

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“アメリカンスーパースター”コルベットのハイパフォーマンスモデル「Z06」。そのV8NAエンジンの実力を探る

フェラーリファンも悔しがるV8自然吸気エンジン

言ってみれば、アメリカのスーパースター、待望の来日決定!だった。シボレー コルベットZ06が日本初上陸を果たし、昨年(2023年)にファンのみならず広くあまねくクルマ好きを最も興奮させたアメリカ車となったのだ。

2020年にミドシップスーパーカーへと大進化を遂げた第8世代コルベット(C8)だったが、70年近くに及んだFRスタイルからの転換の背景には“世界で通用する高性能を手に入れる”という強い意志があった。それゆえC8の高性能版たるZ06には、スタンダードモデルのV8OHVエンジンではなく5.5リッターV8DOHC自然吸気(NA)エンジンが積まれている。しかも今どき完全新設! フェラーリでさえ早々にV8NAに見切りをつけダウンサイジングターボを採用したというのに。

その内容はというとフェラーリ製V8エンジンがNAのまま進化したらまさにこうなっただろう、という感じ。コルベット用としては久々のDOHC 4カムエンジンで、ドライサンプシステムにフラットプレーン式クランクシャフトを採用、最高出力は600ps以上、とフェラーリファンも悔しがるスペックだ。

エンジン
最高出力646ps/最大トルク623Nmを発揮する5.5リッターV8エンジン(LT6)を搭載。

2021年秋にZ06が発表され、日本のファンが「いつから日本でも買えるのか? 」と騒ぎ始めた当初、日本への正規輸入は難しいかもしれない、と言われていた。なかでも音が厳しい、と。そのうえデリバリーのはじまった本国では話題と人気が沸騰し、プレミア価格までつく有り様。これじゃ(手間のかかる)日本への正規輸入どころじゃないな。そう諦めていたところ、突如GMジャパンはZ06日本仕様を発表した。2023年5月のことだ。

アドレナリンレッドのインテリア
2023年に国内導入された車両は、アドレナリンレッドのインテリアカラーが採用されている。

日本でのC8人気は高く、需要も安定している。右ハンドル仕様を企画し、音規制に厳しい他国と抱き合わせることができれば、“ちょっと穏やかなZ06”を企画しても一定の販売量を見込めるという判断か。否、ファンの望むモデルを絶対に入れるという日本側の執念かもしれない。いずれにしても、それでこそフラッグシップモデルであろう。

コルベット(C8)

2019年に登場、日本でも2020年に公開されたコルベット(C8)。ベーシックモデルはクーペとコンバーチブルをラインアップ、最高出力502ps/最大トルク637Nmの6.2リッターV8OHVエンジンを搭載する。

もっとも、それゆえに供給量は少なくなって当然だった。2023年の輸入数はわずかに4台で黒い3LTのみ、抽選販売だった。今年デリバリー分のオーダーは既に終わっている。今からオーダーできるのは2025年分だ。とにかくZ06に乗りたければ急げ、である。

2025

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