2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【Cal.3861】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
Cal.3861

カム式クロノグラフの名機を現在に継承
ベースとなったCal.1861はコラムホイールに代わり、写真の左下に見えるカムが回転し、レバーやハンマーを操るカム式の名機。その前身である1968年に登場したCal.861の基本設計を継承しながら、最先端技術で1万5000ガウスの強耐磁に進化させた。
クロノグラフ
オメガ[スピードマスター・ムーンウォッチ]
![オメガ[スピードマスター・ムーンウォッチ]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/ME_2024_udedokeinoshikumi_fukuzatsu_p133_2.jpg)
ムーブメントの雄姿を裏蓋に見せる
現行プロフェッショナルは、風防素材違いのバリエーションを展開する。このサファイアクリスタル仕様は、プロフェッショナル初のシースルーバックを採用した。手巻き。径42mm。SSケース。カーフストラップ。
月面への第一歩の伝説を継ぐ
NASAのアポロ計画で実際に月面に降り立った「スピードマスター」の、これは後継機である。月に至ったモデルが搭載していたのは、こちらの記事で紹介したキャリバー321。それが1968年にキャリバー861に、1997年にそれをロジウム仕上げした1861に置き換わったが、NASAの公式装備品であり続け、その市販モデルには「プロフェッショナル」のミドルネームが冠されてきた。
この現行プロフェッショナルは、2021年に誕生。キャリバー1861のひげゼンマイをシリコン製に、脱進機を非磁性体だけを用いた独自のコーアクシャル脱進機に置き換え、1万5000ガウスの強耐磁を実現している。そして歴代プロフェッショナルの意匠を継承し、ムーンウォッチの伝説を継ぐ。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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