2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【Cal.324 S QA LU 244/206】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
Cal.324 S QA LU 244/206

センターローター式自動巻きの基幹機
2010年、下のモデルとともに登場した各暦表示ディスクを拡大し、より視認性を高めた年次カレンダーモジュールが備わる。ベースムーブメントのCal.324は、2004年に誕生した基幹ムーブメントの1つ。3.3mm厚の薄型ながら精度と耐久性とに優れる。
アニュアルカレンダー
パテック フィリップ[年次カレンダー ムーンフェイズ 5205]
![パテック フィリップ[年次カレンダー ムーンフェイズ 5205]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/ME_2024_udedokeinoshikumi_fukuzatsu_p132_2.jpg)
ブルーの濃淡が、ダイヤルで繊細に移ろう
美しいブルー・ブラック・グラデーションダイヤルを、年次カレンダーに採用。6時位置にはカレンダー修正の目安となる24時間表示も備わる。自動巻き。径40mm。18KWGケース。アリゲーターストラップ。
視認性に優れる並列暦表示
アニュアル(年次)カレンダーがパテック フィリップによる発明である。ファーストモデルが誕生したのは1996年。そのカレンダー表示は、こちらの記事で紹介したモデルと同じ、日付は窓表示、曜日と月はインダイヤル式であった。
各暦表示を歯車で送るアニュアルカレンダーは、表示位置の変更が容易。パテック フィリップのアニュアルカレンダー搭載モデルには、各暦の表示方法や位置が異なるバリエーションが存在する。このモデルでは、日・日付・月の各表示窓がダイヤル上部に扇形に並列され、全表示が一目瞭然だ。各窓をダイヤルの円弧にぴったりと合うよう配置し、さらに窓形状を扇形とすることで、ダイヤルと完璧に調和させているのは、お見事である。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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