世界初の非ラウンド型セントラルトゥールビヨン
中央のトゥールビヨンがダイヤルの主役
欧米ではサントレー カーベックスと呼ばれる、直線と平面を一切持たない三次元曲面のダイヤル中央に、直径17.7mmもの巨大なトゥールビヨンが鎮座する。セントラルトゥールビヨンは、これ以前から他社にもあったが、ラウンド型ケース以外で実現したのは初だ。フランク ミュラーは、この新たなチャレンジに際し、メゾンのアイコンであるトノウ カーベックスを再設計した。サファイアクリスタルの上下をケースの縁いっぱいまで広げ、またベゼルをスリムにし、ダイヤル開口部を広げたのだ。これにより中央部に無理なく、トゥールビヨンを置ける。そしてトゥールビヨンの周囲は、エッジが際立つクッキリとしたクルー・ド・パリ スパイラルを刻んだ。
新設計の自社製セントラルトゥールビヨンは、フランク ミュラーとしては珍しいマイクロローター式の自動巻き。ケースバックからは、約84時間パワーリザーブを叶える巨大な香箱とローターとが上下に居並ぶ様子が見て取れる。
巻き上げ機構はリューズ側に集約。その逆側に構築された主輪列は、ダイヤル側へと深く潜りこむように構築され、最深部で香箱とマイクロローターとにまたがるように設置されたトゥールビヨンキャリッジの駆動車へと連結している。
時分針は、セントラルトゥールビヨンの開口部から外側に顔を覗かせているが、それらの支えは見えない。時刻表示の仕方が、実にミステリアスだ。
さらに脱進機の製造には、新たにエレクトロフォーミングを導入。日本語で電鋳と呼ばれる、写真のように図面を転写した基板上に金属を積層する成形技術は、従来の切削加工と比べ約10倍もの加工精度を実現し、設計図通りの理想の形状が叶えられる。また表面は滑らかで摩擦も少ない。天才時計師は、高性能化のためには先端技術の導入を恐れない。
この機構が凄い!

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