Mモデルで最もコンパクトな“M4のショートホイールベース”
2023年4月、2世代目となるBMW M2が日本に上陸した。M2は2シリーズクーペをベースにサーキット走行を念頭にBMW M社が開発したハイパフォーマンスモデル。BMWによると、「1985年に登場し高性能スポーツカーのベンチマークを確立した初代BMW M3と、1973年に誕生しそのスポーティで美しいデザインと卓越した運動性能により名を馳せたBMW 2002ターボの伝統を引き継ぐ」とある。
あらゆるクルマがどんどん大型化するなかで、全長4580mm、全幅1885mm、全高1410mm、というサイズはコンパクトといっていいものだろう。実際にM2はBMW Mのラインアップにおいて最もコンパクトなモデルだ。
コンパクトといっても基本骨格は兄貴分のM3/ M4譲りのもの。ホイールベースは2745mmと兄貴分に比べて110mm短いが、前後のトレッド幅はまったく同じ数値なので、回頭性の高いコーナリング重視のクルマになっていることがわかる。大きく張り出したフェンダーと、大型化されたサイドスポイラーが一体となってより一層ワイドに見える。
デザインは、左右の大きな四角いエアインテーク、横バーを採用したフレームレスのキドニーグリル、そしてヘッドライトの目頭のあたりにも特徴がある。リアにも、四角をモチーフとした大きなエアアウトレットを備えており、4本出しエキゾーストパイプが特別感を演出している。
BMW M2のディテールをチェック(画像3枚)
インテリアも、M3/ M4と共通のコンポーネントを多く採用しており、最新のiドライブ・コントローラーやタッチ操作が可能な視認性に優れたカーブド・ディスプレイを採用。車両のキーを持たずとも、対応のスマートフォンをドアハンドルにかざすことで、ロック解除/施錠できるBMWデジタルキーを標準装備。AI技術を活用し「OK, BMW」と呼びかけると起動、音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能となるBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントも備えている。
M3/ M4譲りの3リッター直列6気筒ツインターボエンジンは、最高出力460ps、最大トルク550Nmを発揮。トランスミッションには、サーキット走行から街乗りまで、あらゆる場面に対応する8速ATと、いまどきレアな6速マニュアル・トランスミッションを用意する。
足回りにはアダプティブ M サスペンションを標準装備。タイヤサイズもフロント275/35R19、リア285/30R20とM3/M4と同じものを備えている。ドライブモードは、エンジン、サスペンション、ステアリングやブレーキなどのセッティングを個別に変更可能。M Modeでは、Road、Sport、Trackモードを選択でき、アシストや横滑り防止装置の介入度合い、メーターパネルの表示も変更できる。ADAS(先進運転支援システム)ももちろん標準装備。ただし、アクティブ・クルーズ・コントロールはATのみの設定で、MTではクルーズ・コントロール(ブレーキ機能付き)となる。