世界に誇れる名品、いくつ知っていますか?

出来栄えを左右する重要な作業の一つにパーツや素材の裁断が挙げられる。
前原光榮商店は、骨組みの多いクラシックな佇まいの傘を手掛けるが、そのためそれぞれの傘の生地も面積が狭く、高度なカッティング技術が求められる。一般的な傘メーカーが、作業効率を重視して約10枚もの生地を重ねてカッティングするのに対して、同ブランドの傘は重ねる枚数を2枚に抑えて精度を重視した裁断を行う。それにより、圧倒的に美しいフォルムの傘へと仕上げることができるのだ。
─裁─
ミリ単位でこだわる正確なカッティング
MAEHARA KOUEISHOUTEN
前原光榮商店の「一本傘」

手間を惜しまない生地裁断が仕上がりに直結
皇室をはじめ、数多くの著名人に愛用される老舗。生地を織る、骨を組む、手元を作る、生地を裁断縫製する、と大きくわけて4つの重要な工程全てにおいて専門の職人が作業を行う。生地を裁断する際、職人は自ら調整し作った三角形状の「木型」を生地にあて裁ち包丁で裁っていく。この作業が完成時の見栄えを左右するからだ。2万2000円(トンボ洋傘前原光榮商店)