スーツで、「さらなるWELL」を! #麻布テーラー編
『MEN’S EX』と『NIKKEI STYLE Men’s Fashion』が共催する「SUITS OF THE YEAR 2022」。今年で5回目を迎える当アワードは「チャレンジを纏う」をキーワードに、 “ビジネスや自分のフィールドで情熱を持ってチャレンジし、時代を変えていく才能や志を持つ人”を部門別に表彰するものだ。世の中が再び動き出した今だからこそ、アワードを通じて改めてスーツを纏うことの意義や価値、愉しさを強くアピールしたいと考えている。
アワード連動企画として、ここでは現在のスーツシーンを象徴するブランドやショップから、今季の要注目モデルをご紹介。併せてその魅力や着こなしのワンポイントアドバイスを、SUITS OF THE YEARのアドバイザーを務めるファッションディレクターの森岡 弘氏に解説からいただいた。
今回は、こだわりの仕立てと巧みなトレンド咀嚼力で昨今のオーダーブームを牽引する麻布テーラーのスーツを2着紹介する。ともに名門の最新生地を使用し、今の時代に相応しいダンディズムを演出できる。
大人の余裕を感じさせるヨーロピアン調ダブル
麻布テーラーのハウスモデルの中で最も大人の落ち着きを感じさせる「コンチネンタル」モデルのダブルブレストスーツに、見るからにしなやかなグレーベースの生地を載せた一着。
「美しいドレープからわかる通り各部に程よくゆとりがあり、いかにもスーツ上級者と思わせる見映え。こういうダブルスーツは若いビジネスマンというより、ある程度の年齢や地位にある人が纏うとより映えると思います。上品な光沢を湛えたグレーの生地もとてもエレガント。シックな中にも現代的なシャープさを感じさせる生地ですね」(森岡さん)
この生地は名門エルメネジルド ゼニア社製。生産段階でどうしても出てしまう余剰原毛から再度上質なものを厳選したところに、シルクをブレンドしている。
「サステナブルやSDGsといった時代のキーワードにも合致する、今らしい高級生地ですね。こういう環境への配慮がなされた生地を着ていれば、気分もいいはずですよ」(森岡さん)
着こなしは身頃にグレーストライプを配したクレリックシャツに、ブラウンベースのドットタイを合わせた。
「シャツはダブルカフスとしたことで程よくフォーマルな雰囲気も漂っています。大切な商談のある日、あるいは得意先のレセプションに出席するときなどにもおすすめのスタイルです」
生地は生産時に生まれる余剰原毛をリサイクルし、シルクを混紡したエルメネジルド ゼニアの“ループ”。軽く、しなやかに仕上げられた新時代の高級スーツ服地だ。薬剤を使わずに撥水加工を持たせるマイクロンスフィア加工も施されている。なお、さりげなく柄を配した奥行き感あるグレーは、麻布テーラーの特注。なだらかなゴージラインや、低めのウエストシェイプやポケット位置により落ち着いた印象を作るヨーロピアン・クラシックスタイルの「コンチネンタル」モデルと、最高のマッチングを見せている。
軽快かつアクティブな現代のスタンダード
麻布テーラーからもう一着スーツを紹介。こちらは多様なライフスタイルにマッチする新感覚のセットアップをコンセプトとした「ジェットクルーズ」モデルで仕立てたものだ。
「肩パッドも薄めで、見るからに軽やかで程よくリラックス感のあるシルエット。パッチポケットやパンツのウエストシャーリングなどのカジュアルなディテールを取り入れているのも今らしいアレンジですね」(森岡さん)
生地はロロ・ピアーナ社の「T-WAY」コレクションからセレクト。しなやかな風合いといい、見るからにラグジュアリーな雰囲気の生地だが、じつはナイロンとポリウレタンを僅かに混紡することで抜群のストレッチ性も備えている。
「出張などの多いアクティブなビジネスマンに絶好の生地ですね。柔らかな仕立てですから、たとえば休日のお出かけならタートルネックなどを合わせても最高に似合うでしょう。もちろんタイドアップすればご覧の通りしっかり端正な雰囲気が築ける。そういう着まわしやすさも含めて、現代のスタンダードスーツと呼ぶに相応しい一着です」(森岡さん)
アクティブウェアとフォーマルウェアの境界が曖昧になりつつある今の時代に合わせてロロ・ピアーナ社が開発した「T-WAY」コレクションの生地を使用したスーツ。ラグジュアリーな風合いと裏腹に、軽さとストレッチ性を両立しており、オン・オフ兼用を意識した麻布テーラーの「ジェットクルーズ」モデルと抜群の相性を見せている。
麻布テーラー
撮影=島本一男(STUDIO BAARL) スタイリング=森岡 弘(GLOVE) ヘアメイク=古口精樹 文=吉田 巌(十万馬力)
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