アートな夜はニューヨークスタイルの和食を

疲れ果てて、ホテルへと戻り、ひと休み。しかもルーフトップで、お酒が飲めるというから最高だ。ムフフ。スパークリングを堪能した後は、こちらのホテルのデザイナーを務めた柳原照弘さんと、ホテル内に置いてあるアートの作者である八木夕菜さんのトークショーを拝聴。
京都市立芸大が移転してくるなどアートの街として注目されつつあるこの十条界隈の話題を中心に作品制作の裏側など興味深い話をうかがうことができた。今後もギャラリーや劇場がオープンし、ますますアート色が強くなるそう。トーク中に気になったのが、「滞在だけではなく、人が文化を育む新しい京都の拠点を作りたかった」という柳原さんの言葉。その思いはこのザ・レインホテルに実際に泊まってみて、実感できた。
泊まる前はデザインホテルとして有名なエースホテルのような感じかなあ、と漠然と思っていた。たしかにそんな流れも感じるが、作り込まれた雰囲気ではなくどこか抜け感がある。ニューヨークでいえばブルックリンのような京都駅以南。「宿泊しなくてもフラッと立ち寄れるようなホテルにしたい」とオーナーの安本晃通さんもおしゃっており、レストランの在り方を見ても納得。「京都には素敵な食事どころがたくさんある。ホテルで楽しむのもいいが、外にも出て行って欲しい」と、とにかく太っ腹な考え方がいい。
そんな言葉に背中を押されて、京都の2日目の夜は“Another C”というモダンジャパニーズのレストランへ。ニューヨークで育った富永暖シェフがつくる日本料理。カウンターがあり、おひとり様にも使いやすい。


この日の料理は、滋味豊かな八寸に名残の鮎の天ぷら、松茸とぐじのお椀など食材は京都らしいのにスタイリッシュなひねりがあって楽しい。

デザートはニューヨークチーズケーキで、シェフらしさが満開。いつもだったら2軒目に素敵なバーにでも寄って帰りたいところだが、コロナ禍の影響もあり早々にホテルへ戻る。とはいえ、旅に来て早めに休むのもいいのかもしれない。