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スイス時計界随一の歴史を誇る名門時計ブランドロンジンの歩み

有名な博物学者ルイ・アガシの弟、オーギュスト・アガシが1832年にスイス・サンティミエにて設立した時計製造販売会社がブランドの起源。1867年には同地に自社工場を開設し、初のムーブメント“キャリバー20A”を製造。これを搭載した懐中時計は同年のパリ万博で賞を受賞した。なお、この頃から使い始めたロンジンのブランド名はサンティミエの通称「Es Longines」（仏語で細長い野原）にちなむ。

その後もシングルプッシュボタンのクロノグラフや、ブランド初のクロノメーター認定ムーブメント“キャリバー21.59”で名声を高めていったロンジン。1900年のパリ万博では、遂にキャリバー21.59を搭載した懐中時計“ラ・ルノメ”でグランプリを獲得。その成功により事業はますます軌道に乗り、1900年代前半には工房を拡大（写真上）している。

こちらは1920年代のロンジンのアトリエの様子。精度と耐久性にこだわるのと同時に、貪欲に技術革新を続けてきたロンジンの時計は、アブルッツィ公爵の北極探検や、大西洋無着陸横断飛行を成功させたチャールズ・A・リンドバーグをはじめ、数々の冒険家たちの偉業を支えたことでも有名だ。

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文＝吉田 巌（十万馬力）

※価格はすべて税込み価格