「スーツとは思えないほど軽やかな着心地。その進化に驚きました」

スーツ75万9000円、シャツ9万1300円、タイ3万3000円、チーフ2万3100円、靴 参考商品、ベルト7万1500円/以上ブリオーニ
「常に時代に順応していかなければ、伝統は継承できない」
世界の壁を越え、ひたすら最高峰を見据えて邁進する川島の姿に、あるブランドのイメージが重なった。ローマンスタイルの古豪にして、時に大胆なほどの進化を重ねてきたブリオーニである。この両雄が会したとき、どんなスタイルを我々に見せてくれるのだろうか?――撮影を終えた川島に、ブリオーニの新作をまとった感想を聞いてみる。
「やはりブリオーニといえばスーツというイメージがありますので、今回着用することができて嬉しかったですね。実際袖を通してみると、見た目以上に着心地が軽やかなことに驚きました。スーツを着ているという感覚がないほど。しっかりドレスアップしている感覚はあるけれど、あくまで自然でいられるところに好印象を抱きました。今季のブリオーニはビジネスウェアに限定しないスーツスタイルを打ち出していると聞きましたが、確かにこういうスーツなら様々なシーンで着られそう。着心地が素晴らしいので、オフで着てもストレスにならなそうです」
もう一つは、カシミアシルクのニットにオーバーシャツを重ねたカジュアルスタイル(冒頭の写真)。こちらも着心地のよさが印象的だったという。
「肌触りが素晴らしいですね。優しく包み込まれているような感覚です。それから、色使いも自分にとっては新鮮でした。普段は紺、黒、白といった色の服を着ることが多くて、ブラウン系のものはあまり馴染みがなかっただけに、今回新しい発見がありました」
ブリオーニが掲げる’21年秋冬のキーワードは「暗闇から光への物語の旅」。世界に暗い影を落とすコロナ禍の中、テーラリング・ラグジュアリー・コンフォートの新しい融合によって明るく希望に満ちた装いへの新たなアプローチを表現する。スーツにはナポリスタイルを取り入れた新モデルが登場し(上写真)、ワークウェアをインスピレーションにしたカジュアルルックをフィーチャーするなど、これまでにない試みが多数なされている。こうしたチャレンジについて、川島自身はどう捉えているのだろうか?
「以前のブリオーニはどちらかというとカチッと決めたスタイルのイメージが強かったのですが、今回新作に触れて、しっかりアップデートされているんだなということを実感しました。ブリオーニは長い伝統をもつブランドだけに、昔のものを守りながら進化を続けるには並々ならぬ努力が必要だと思います。伝統というと、変わらないもの、変えてはいけないものと思われがちですが、実際は時代の中で何が求められているかを理解して、それに順応していかなければ伝統を未来へ繋げていくことができない。それはサッカーも同じで、プレースタイルにしろスピードにしろ、ひと昔前と今とでは全然違います。それについていかなければ、いいプレーが提供できないんですね。今は変化が早い時代で、それまでずっと変わらなかったものがいとも簡単に変わってしまいます。そうしたなかでも、ブリオーニは常にチャレンジを続けて伝統を継承している。それが確固たるオリジナリティに繋がっているのだと思います」
川島自身、プロ選手として20年のキャリアを積み重ねるなかで、常に困難を恐れず、厳しい挑戦を続けて自らを進化させ続けてきた。その歴史が川島永嗣という唯一無二の個性を生んだことは疑いない。そして常に挑戦と進化を志すがゆえに、円熟期といわれる現在にあっても“これからがスタート”と言い切る人並み外れたエネルギーが湧き上がってくるのだろう。
そして今、川島の挑戦と進化は、サッカーだけに留まらず、スポーツを通じた子どもたちへの語学教育「グローバルアスリートプロジェクト」にも表れている。長い海外挑戦を経て、その地の言語でコミュニケーションできることが、進化に繋がることを自身が身をもって体感してきたからだ。
これまで、幾多の逆境にも見舞われてきた。にもかかわらず、むしろそれを成長の糧とできたのは、決して尽きることのない挑戦心ゆえだ。モチベーションを維持する秘訣は、「厳しいときこそ、卑屈にならず信念を貫くこと。そして、心に余裕をもつこと」だと川島永嗣は話す。その言葉はまさしく、ブリオーニが今季のコレクションで表現する “暗闇から光への物語の旅”を想起させるものだった。
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ブリオーニ クライアントサービス TEL 0120-200-185
[MEN’S EX Autumn 2021の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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