新時代のビジネススタイルにこそ、グッチの鞄がふさわしいワケとは

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ルールの縛りが緩くなった今、
変わらない“芯”をもった逸品の真価が光る

モードの世界で絶大な評価を集めるグッチだが、クラシック好きから見ても魅力的なアイテムが実はたくさんある。創設100周年を迎えた今、改めてその真価を検証してみよう。

グッチラグジュアリー鞄
左:縦19×横23×マチ10cm。19万300円、右:縦26×横31.5×マチ14cm。22万5500円

伝統を大切にする現代の紳士にラグジュアリーな鞄を

“いい靴はあなたを素敵な場所に連れて行ってくれる”という言葉があるが、靴を“バッグ”に言い換えても同じ意味になるのではないだろうか。

ブランドの哲学とクラフツマンシップが凝縮されたバッグは、持つ者に行動する活力を与えてくれる。それは仕事のモチベーションにも大きく影響するはずだ——。グッチのバッグ コレクションを見ると、ふとそんな思いが頭をよぎる。それほどにオーラを感じさせる逸品ばかりだからだ。

実は今年、グッチは創設100周年の節目にあたる。グッチオ・グッチによってフィレンツェに開かれたレザーグッズ専門店は、1世紀にわたる歴史のなかで不朽のアイコンをいくつも生み出してきた。

創設者のイニシャル“G・G”を重ね合わせた「インターロッキングG」、乗馬の世界との結びつきから生まれた「ホースビット」、馬の背中に鞍を固定するための帯から着想した「ウェブ」……。

その例を挙げるときりがないほどだが、ことバッグに関していえば、格子をダイヤモンド状に走らせたシグネチャーパターン「ディアマンテ」にダブルGの意匠を組み合わせたオリジナル「GGパターン」が最も象徴的なデザインといえるだろう。

1965年に考案されたこのアイコンはブランドのレガシーとして脈々と受け継がれ、今もなおバッグや革小物における柱のひとつになっている。それと同時に、時代に即した様々なアレンジが施され、常にアップデートを重ね続けてきたモチーフでもある。

創設100周年を迎えたグッチの未来を見据えたサステナブルな物づくり

ヴィンテージのトラベルラゲージからインスピレーションを得て生まれたショルダーバッグ&トートバッグ。トロリーを思わせるコーナーガードやレザーバンド使いが印象的なアクセントとして効いている。オリジナルGGパターンともあいまってクラシックな表情のバッグだが、実は極めて現代的な側面も備えている。それは、目下の必須課題となっているサステナビリティへの配慮だ。

バッグ作りにおいて、環境負荷の要因となっているもののひとつがレザー。なめしの工程で有害な重金属が発生し、それが河川に排出されることで公害につながってしまうのだ。そこでグッチは、自社内の排水施設に大規模投資を行ってこれを改修。重金属排出のカットに成功し、その証明としてISOも取得した。

さらに上のバッグ2点は、植物性の原料を使ってなめしたメタルフリーのレザーを採用。独特のナチュラルな風合いとともに、サステナビリティにも貢献している。GGスプリームキャンバスはポリウレタンでコーティングし、安全な方法で環境にほとんど負荷をかけず生産されている。

加えて、金具ひとつまでトレーサビリティと環境負荷低減が徹底され、SDGs項目にも掲げられている「つくる責任」に対して真摯に向き合っている。ルックスはヘリテージでありながら、ものづくりの姿勢は最先端というわけだ。

ちょっと小ぶりでクラシックバッグが新鮮に
鞄(縦26.5×横31×マチ14cm)17万6000円、スーツ31万3500円、シャツ6万6000円、タイ2万6400円/以上グッチ

さて、ここで改めて、GGスプリームキャンバスによる新作バッグシリーズのデザインに目を向けてみよう。

ここに紹介した3点に共通するのは、サイズが“小ぶり”であることだ。これはジェンダーレスなスタイルのためのアプローチでもあるが、以前のメンズバッグにはなかったサイズ感が、ヘリテージデザインに際立つ新鮮さを吹き込んでいる点に注目したい。

写真ではベーシックなグレースーツとコーディネートしているが、バッグの雰囲気によって定番ビジネススタイルに絶妙なツイストが効いていることがわかるはずだ。

もちろん、ジャケットにジーンズといったビジネスカジュアルスタイルとの相性もいい。クラシックの系譜を受け継ぎつつ、“ちょっと小ぶり”化することでモダニズムを表現する手腕は、さすがグッチの一言である。

2024

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