最速リムジンを開発し続けるアルピナのディーゼルモデルとは
1999年、アルピナ初のディーゼルモデル、アルピナD10 Bi-Turboがデビューする。4世代目5シリーズをベースとしたこのモデルは、当時世界でもっともパワフルなディーゼルモデルといわれ、最速のリムジンを開発し続けるアルピナの面目躍如たるものだった。
そのDNAをいまに受け継ぐのが、最新の5シリーズをベースとしたD5Sだ。試乗車のエクステリアは定番のアルピナ・ブルーメタリックのボディカラーに、1970~80年代のマシンのオマージュである“アルピナ・デコセット”と呼ばれるサイドストライプを配している。バンパーなどは独自にデザインされたもので、ラジエーターへと取り込む空気の流れを最適化し、またダウンフォースを強めて高速安定性を向上させている。
インテリアは、ブルーとグリーンのステッチが施された手縫い仕上げのステアリングホイールに、アルピナのこだわりがみてとれる。操作中に手のひらにできるだけ干渉しないようにとあえて装飾的なクロスステッチをやめ、手間のかかる縫製を行っているのだ。またアルピナ伝統のウッドパネルや製造番号を刻印したプロダクションプレートなどが独特の雰囲気を醸し出している。
パワートレインは、最高出力347ps、最大トルクは730Nmを発揮する3リッター直列6気筒ディーゼル+ツインターボに、48Vマイルドハイブリッドシステムを組みあわせている。マイルドハイブリッドシステムは最新のBMW譲りのもので、最大8kW(11PS)の回生エネルギーで低回転域での駆動をサポートする。トランスミッションは8速スポーツオートマチックで、駆動方式はAWD(四輪駆動)だ。