大人の日常生活は、微妙なピンチの連続です。適切な言い訳を繰り出して、自分を守りつつ周囲のストレスを最小限に抑えましょう。

今月のテーマ/リモート会議でモタついて部下に失態をさらした・・・・・
その昔「メールを使えないオジサン」に冷たい目を向けた報いでしょうか。昨今、中堅社員のみなさんが、不慣れなリモート会議に悪戦苦闘しています。難なく使いこなしている同世代も多いだけに、モタついてしまう恥ずかしさは、またひとしお。
今日も画面が何度も固まったり、部下に「声が聞きづらいです」と注意されたり……。華麗な言い訳で、参加者からの「使えないヤツ」という視線を少しでもはね返しましょう。
「自宅の回線がダメで」「パソコンが古くて」と環境のせいにするのは、むしろ逆効果。根本的なヤル気やスキルのなさが露呈されて、「仕事で必要なんだから、さっさとどうにかしろよ」と、若手を余計に呆れさせてしまいます。
中途半端にカッコつけるのではなく、ここは自分のできないっぷりをいかに潔くさらけ出せるかが勝負。まずは「古い接続方法だとダメだね。何がオススメ?」「きっと設定が間違ってるんだね。どこを変えればいいの?」と、己の至らなさを認めつつ教えを乞います。
教えてもらったら、「なるほど、科学の進歩は素晴らしいね!」「おお、これが21世紀のテクノロジーか!」と、時代がかった大げさな言い方で感激を前面に押し出しましょう。
締めの言葉も大切。参加者に「今日は勉強になったよ。ありがとう」と丁寧にお礼を言うことで、器が大きそうな雰囲気が強調されて、ドン臭い印象がとりあえずは薄まるはず。ただ、次回はちゃんとやらないと、「ダメだ、この人」と見切りを付けられてしまいますけど。
言い訳の極意
中途半端にカッコつけても
なおさら痛々しいだけ。
素直に無知をさらけ出す――
それもまた言い訳なり
[MEN’S EX 2020年10月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)