【Point 1】端が“ふっくら”している
仕立てのいいネクタイは、立体的なボリューム感を大切にして作られている。端の部分を横から見たとき、ふっくらと丸みを帯びているものが上質な仕立てだ。これによって、Vゾーンの高級感が一段と際立ってくる。

これは仕立てのよくない例
前の写真と比べると、端がペッタリしているのがわかるはず。このようなネクタイは大量生産のものや昔のヴィンテージタイなどにしばしば見られるが、締めたときにペラペラした印象に見えてしまう。

【Point 2】大剣先が二等辺三角形になっている
裁断や縫製が粗いものは、大剣先の形が崩れている場合も。裏地を省いたものは“軽やかな味”として許容できるものもあるが、裏地付きの場合は美しい二等辺三角形を描いているものが上質さの証。写真のように剣先を内側に折ってみるとチェックしやすい。マリネッラ ナポリのネクタイは極めて美しい正三角形になっている。

【Point 3】縫製に適度な“ゆとり”がある
上質なネクタイのほとんどはハンドメイドで作られており、裏側の縫製部分にあえてゆとりを持たせて仕立てている。これによってネクタイに伸縮性が生まれ、締めたりほどいたりを繰り返しても痛みにくくなる。

【Point 4】“巻き”が細く美しい
裏地を省いた仕立ての場合、剣先の処理にも注目したい。こちらのように、手作業によって細く丁寧に巻き縫いされたものは、剣先の表情も非常に美しいものとなる。