東京五輪ゴルフ日本代表コーチ・丸山茂樹&服部道子「匠の時代からパワーの時代へ」

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VOL.01
東京五輪ゴルフ日本代表ヘッドコーチ 丸山茂樹×服部道子[後編]

>>>[前編]はこちら

丸山茂樹さん、服部道子さん

丸山茂樹さん MARUYAMA Shigeki
1969年生まれ。千葉出身。日本ツアー通算10勝。2000年より米ツアーに参戦し3勝。2002年には伊澤利光プロとのペアでゴルフワールドカップを制している。東京五輪ではリオ五輪に続き、ゴルフ日本代表のヘッドコーチを務める。愛称は“マルちゃん”。

服部道子さん HATTORI Michiko
1968年生まれ。愛知出身。11歳よりゴルフを始め、1984年に当時の最年少記録15歳9か月で日本女子アマ選手権、1985年に日本人初の全米女子アマを制覇。1991年にプロ入りし、1998年賞金女王。2019年6月、東京五輪のゴルフ女子代表コーチに就任。

「世界を相手に勝ち抜けるタフな選手に期待しています」
(服部さん)

丸山ツアー中は験担ぎみたいなものは、されていましたか?

服部忘れると気にしそうなので特には。験担ぎ好きな人のなかには、優勝時と同じホテルの同じ部屋を予約して、大会初日のレストランの席から練習場の打席まで決めている方もいらっしゃいました。

丸山もしも、お気に入りの席が埋まっていたら気になっちゃうなあ。僕は連戦するなかで験を担ぎきれなくて止めました。強いて挙げるなら、スパイクは左足から履くぐらい。左足の方が少し大きいので、新調するときも左足にサイズを合わせるんです。

服部丸山さんは利き足が左足ですから、理にかなっているんでしょうね。



匠系からパワー系へ 新しい時代の幕開け

丸山さすが、服部さん(笑)。最近は若手選手の台頭が目立ちますが、どうお感じになりますか? 20歳の若さで全英女子オープンを制覇した渋野日向子プロなどは、16歳のときに全米女子アマチュアゴルフ選手権で日本人初優勝した服部さんご自身と重なるところもあるのでは?

服部大まかにいうと世界的にテクニックを駆使する時代から、アスリート系のショットで飛距離を出し攻めていく時代に変わってきた印象があります。ウォルマートNWアーカンソー選手権で、日本勢最年少の19歳で初優勝した畑岡奈紗プロしかり。

丸山若いと怖いモノなしですよね。今年50歳になって、それを強く実感しています。以前は「どうぞ朝から観戦しに来てください!」というウェルカムな気持ちでしたが、今では「アイドリング中なので、調子が出てくる5番ホールから来てもらえます?」という後ろ向きな気持ちに(笑)。ただ、年齡を重ねると仕方ないなってあきらめがつくことも、若い頃は血気盛んでカチンとくることも多かったな。

服部確かにどこかで自分をゆるしていかないと、最終ホールまで気持ちが続かないですよね。

丸山我々は匠の時代。ギアもメソッドも手探り状態で、自分の感覚を頼りに磨いてきたテクニックを披露した。今はパワーの時代ですよね。他にも我々はラウンド後にクラブハウスでお茶してたのが、今や練習場に寄ってトレーナーにボディケアしてもらうのが当たり前になりましたから。当時はトレーナーの帯同自体が珍しくて、ホテルに帰るとマッサージ師を頼んでいました。「お兄さん、いい体してるけど何かやってるの〜?」なんてね(笑)。

服部匠系とパワー系とは言い得て妙ですね。畑岡プロや渋野プロは陸上やソフトボールの経験があったりして、4日間の試合でエネルギーを切らさずに戦える素地がある。そうしたスタミナも、今の若手選手の強みなのかなと思います。

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