メンズファッション業界にはお洒落なだけでなく、とても個性的な生き方をしている人がたくさんいる。この連載では、いま注目の業界人のファッション履歴を通じ、各人の人間的な魅力に迫ってみたい。
第十六回 三陽商会 第一事業本部 コーポレートビジネス部 企画課長 猿渡伸平さん
Profile
猿渡伸平(えんどしんぺい)さん/三陽商会 第一事業本部 コーポレートビジネス部 企画課長
1970年、神奈川県横浜市生まれ。スポーツが得意でやんちゃな幼少期を過ごし、高校生時代は野球に明け暮れる。高校卒業後、社会人野球の選手として三陽商会に入社し、仕事と野球を両立。24歳のとき、怪我で野球ができなくなったのを機にメンズ部門の営業を始め、28歳で企画職に異動。31歳で三陽山長の立ち上げに参加して以降、並行して数々のブランドの企画を担当する。現在は三陽山長の企画とともに、2019年秋スタートの新ブランド、ストーリー アンド ザ スタディーに全力投球している。
日本を代表するアパレルの一社が三陽商会だ。自社オリジナルのほか、海外のブランドの日本展開を手掛けるなど、幅広いジャンルで日本のファッションを支えてきた。同社のメンズ部門で、MEN’S EXでもおなじみのブランドに携わってきたのが猿渡伸平さん。見るからにスポーツマンだとわかる大柄な体型とにこやかな表情がトレードマークのような方である。MEN’S EX読者なら誰もが知る三陽山長に2001年から関わっているほか、最近は新ブランドも担当するなど、忙しい毎日を過ごしているという。
どんな幼少期を過ごしていましたか?
「姉と兄がいまして、私は末っ子です。子どもの頃は怒られたことがなかったんですよね。要領がよくて、なにか悪いことをしても兄のせいにしていました(笑)。口は達者だったと思います。父が習い事をさせるのが好きで、4歳のときに水泳を始めてから、サッカー、野球、ラグビー、習字、公文式、水泳などを習っていましたね。でも習字や公文式はちっとも行かなかったし、水泳も公園で水着を濡らして行ったふりをするんです。両親は気づいていたはずですが、なぜか怒られずに済んでいました」