4つのトゥールビヨンを搭載
ニューヨークの歴史ある宝石商として、ダイヤモンドの世界に君臨してきたハリー・ウィンストンが、高級時計の世界に進出して以来、数々の意欲的な時計を世に送り出してきた。
時計制作の可能性に挑戦し続けたオーパス シリーズや、宇宙工学に用いられる希少素材のザリウムをケース素材として採用したプロジェクトZなど、毎年その新作は時計世界に刺激を与え続けてきたものだ。
今年の新作で目立ったのは「イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10」というモデルで、これはTVスクリーン型のケースの四隅にそれぞれトゥールビヨンを備え、それをディファレンシャル・ギアによって連結することで、高精度を実現するという驚愕のモデルだ。
それぞれのトゥールビヨンは36秒で一回転し、それを3個のディファレンシャル・ギアで連結する。パワーリザーブは55時間というから、その動きはさぞかし見事に違いない。
「イストワール・ドゥ・トゥールビヨン 10」(フォトギャラリー4点)
今年もう一つ素敵だなと思ったのは「HW ミッドナイト・レトログラード セコンド オートマティック 39mm」というモデルだ。星空を思い起こさせるブルーアベンチュリンの文字盤の12時のところに、大ぶりのエメラルドカットのダイヤモンドを配し、またレトログラード秒針を読み取る7個のダイヤモンドのセコンドマーカー、そして3時、6時、9時のインデックス、ホワイトゴールド製ケースのベゼルやホーンにもたっぷりとダイヤモンドをセッティングした、シックにして存在感を持つそのデザインが素敵なのだ。そして径39mmというケースの大きさも、アジア人の体格には好もしいものだといえる。