一通りの服に袖を通し、様々な経験を積んだ人間は、いいモノを知っている。だが新たな発見なくして、人生をより豊かにする刺激は得られない。まだ見ぬ名品、ないし定番品の違った一面を知る—そんな「発見的一流品」が豊かな人生を送る糧となるはずだ。
\ 14ミクロンの艶が生みだす最高の佇まい /
KITON / キートンの14ミクロンウールスーツ
14ミクロンウールは艶感抜群
プレタの最高峰スーツとして名高い、キートンのKBモデル。手仕事を駆使して生まれるナチュラルな肩線や、チェストからウエストにかけての美しいフォルムが名品の由縁だが、その造形美に不可欠なのが、厳選された素材。ここに注目すると、キートンのスーツの素晴らしさが、より鮮明に浮かびあがる。写真のKBモデルのスーツには、直径14ミクロン(スーパーにして180’s)という、カシミヤに肉薄する極細原毛を用いたウール地を使用。そのしなやかさはまさに別格で、表面には品のいい艶感が現れる。佇まいにも自ずと、紳士の品格が滲むのだ。
一生に一度は身につけたい大名品
一流のブランドにはマスターピースといわれる名モデルが存在するが、ちょっぴり目線を変えてこれらに向き合うと、新しい発見を得られることがある。名品”プラスα”の魅力を秘めた、とっておきの大名品を紹介しよう。(写真6枚)
[MEN’S EX2018年08月号の記事を再構成]
撮影/野口貴司(San・Drago)、若林武志 スタイリング/四方章敬、佐々木 誠 ヘアメイク/松本 順(辻事務所) 構成・文/伊澤一臣 文/長崎義昭・中河由起恵(以上Paragraph)、吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、間中美希子、礒村真介、酒向充英 撮影協力/横浜開港記念会館