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vol5. ブルックス ブラザーズ200周年スペシャルショーにフィレンツェの宮殿が湧いた!
≪前編≫と≪中編≫では、アイテム、コーディネートの話が主体だったが、こちらの≪後編≫では、今回のピッティで行われたイベントやショーのについて振り返る。
まず今回のピッティ・ウォモで、会場内の展示を含めて個人的に一番記憶に残ったものの1つとして、ブルックス ブラザーズの200周年記念として行われた、ブランド初のランウェイファッションショーをあげたい。
ブルックス ブラザーズは、1818年に創業したアメリカの誇る老舗ブランド。今年2018年はブランド創業200周年イヤーということで、世界各国でさまざまなスペシャルイベントが企画されている。その幕開けとして選ばれたのが、本国アメリカでなく、ピッティ・ウォモ93の開催に合わせて、イタリアのフィレンツェの地が選ばれた。これは、メンズファッション業界において、ピッティ・ウォモがいかに重要な位置づけであるかを示しているともいえる。
ショーの会場には、パラッツォ・ベッキオという、フィレンツェの街を代表する歴史的な建造物が使われた。建物のレンガの壁には、プロジェクションマッピングによりブランドのアイコンであるゴールデンフリースが映し出され、その上でNo.1ストライプの旗がなびいていた。いざランウェイショーが幕を開ければ、その音楽がオーケストラの生演奏というのもなんともクラシックで素晴らしかった。たとえば日本の国立博物館のようなところでこうしたファッションショーを行うことは、かなりハードルが高い。しかし他国ブランドのアニバーサリーイヤーを祝うイベントに、こうした国宝級の美術品がたくさん貯蔵されている、歴史的建造物を公開する懐の広さは、さすがファッション大国イタリアだと思った。
夢の一夜! ヴェッキオ宮殿でのスペシャルファッションショー(写真13枚)
また、ピッティ期間中、同じヴェッキオ宮殿の一階にはスペシャルアーカイブが展示された。創業当時の顧客ノートや、『華麗なるギャツビー』をはじめ、歴代の名作映画に使われた映画衣装、初代のBDポロシャツなどなど、ブルックス ブラザーズ ファンにはたまらない貴重なコレクションを見ることができた。このアーカイブ展は、今年2018年のうちに、日本でもフィレンツェの4倍くらいの規模で開催予定とのこと。これは見逃せない!