毎年流行が変わっても、ワードローブの一軍として変わらず生き続けるアウターがある。ウェルドレッサーが長年愛用する1着を拝見しつつ、”愛せる”理由を探った。
<7年愛用>
グレンフェルのステンカラーコート
ユニオンワークス代表
中川一康さん
1965年生まれ。日本のシューリペア市場を築いた靴修理の第一人者。英国アイテムなどにも造詣が深く、コートだけでも15着を所有。
10年アウターは”アンダーステイトメント”だ
「実は昔からコートはたくさん持っていたのですが、7年ほど前に一度ほとんど処分してしまったんです。歳を重ねて今風のフィットな着こなしをしなくなったという理由がありますが、それ以来購入するコートはすべてクラシックなゆったりしたフィット感、そしてごく控えめでシンプルなデザインのものが多いですね。若いうちはどうしても流行を感じるデザインの服に手を出しがちですが、一定の年齢になると肩の力が抜け、そのような味つけがされていない服の魅力に気づきます。そんな大人の余裕を感じさせる服なら年を経ても長く着られますよ。」
[MEN’S EX 2017年12月号の記事を再構成]
撮影/長尾真志