『ジョゼフ・フーシェ—ある政治的人間の肖像』

冷血な政治家にみなぎるパッションを見よ
陰謀をコイているときのみ生きがいを感じる「陰謀情念の人」フーシェの伝記。同じ会社にいたら絶対に付き合いたくない最高に嫌なヤツだが、己の情念に徹したその生き方がかえって爽快に思えてくる。1020円 シュテファン・ツワイク著 岩波文庫
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『全裸監督 村西とおる伝』

逆境でこそ輝く性のカリスマのパワーとは
現代の日本で己の情念に徹底的に生きた人といえば、AV監督村西とおるしかない。その前段階蜂起的な拡大路線は必敗を運命づけられているが、しかし、もし、現代に村西とおるがいなかったら、随分つまらない日本になっていただろうと思わせるド迫力がある。2400円 本橋信宏著 太田出版
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『ロジ・コミックス ラッセルとめぐる論理哲学入門』

考え抜くことで知性のある色気が生まれる
ひたすら考えに考え抜くことを生きがいとする哲学的人間とはどのような存在なのかを教えてくれるラッセルの伝記。論理哲学をコミックスで絵解きするという野心的試みは十分に成功している。考えることはこの世で一番セクシーな行為なのだ。2700円 ドクシアディス&パパディミトリウ著 筑摩書房
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[MEN’S EX 2017年8月号の記事を再構成]
構成/酒向充英
※表示価格は税抜き