MEO オーバルケースの「ボルゴノーヴォ」が大ヒットしましたよね。当時個性的なデザインのイタリアンウォッチがブームとなりましたが、それを牽引する存在でした。今回の新作は、そのボルゴノーヴォを彷彿させるオーバルデザイン。ケースや風防の流麗なラインやフェイスの凝った造作が素晴らしいですね。
ジョルジョ 私は古いクルマが大好きなんです。このデザインは中でも永遠の憧れであるフェラーリ 250 GTOからインスパイアされたもの。私は自宅のベッドルームにティーンエイジャーの頃に購入した250 GTOのヴィンテージ・ミニカーを飾り、ことあるごとに美しい造形を眺めてはうっとりしているんです(笑)。するとある日、そのデザインを時計に置き換えるというアイデアが降りてきた。あわててペンを手に取り、2年かけてこのモデルを開発したのです。

MEO 確かにこの時計は、横から見るとどことなく疾駆するレーシングカーの姿を彷彿させます。
ジョルジョ 嬉しいですね。じつは随所に250 GTOのディテールを潜ませているんですよ。どこがどこをモチーフにしているかの詳しい説明は省きますが、クルマ好きのお客様なら手にとってじっくり眺めていただければ、きっとニンマリなさるでしょう。
グリモルディ「G.T.O.」のフォルムを検証する(写真9枚)
MEO オーバルケースが大きく湾曲し、手首に驚くほどしっくり馴染むのもいいですね。ジョルジョさんは時計デザインをするとき、何を一番ポイントに置かれているんでしょう。
ジョルジョ ディテールです。優れた工業デザインとは細かなディテールの積み重ねだと考えています。これは人生も同様ですね。
MEO 日本の時計ファンに向けて、今後のグリモルディのブランド展望をお聞かせください。
ジョルジョ この秋には、グリモルディの時計に合うアクセサリーを発表する予定があります。また来年のバーゼルではこのG.T.O.のパリエーションも発表する予定です。サイズや素材違いに加え、クロノグラフなどの新しいムーブメントを積んだものも登場するでしょう。ちなみに今年から我々は新しいブランドコンセプトとして「NEVER STOP DREAMING」を掲げました。これは自分たちに向けての言葉であり、同時に時計ファンに対するメッセージ。夢に向かって突き進んでいる方の腕に相応しい、情熱的な時計作りを行いたいと思っています。