カンヌ国際映画祭正式出品。不穏なのに純度の高い、誰も見たことのない恋愛映画
「2人の男性の間で揺れるヒロインの恋心」という古典的な題材なのに、なぜこんなにもスリリングで不穏な空気をはらんでいるのか。それは、2人の男がうりふたつだったことによって、恋愛における抗いがたい引力や深い業が、スクリーンのそこかしこにちりばめられているからだろう。その空気の中で、ヒロインが下す決断と行動は衝撃的で、破壊力は凄まじい。フィルム・ノワールやアメリカン・ニューシネマならここで終わるところだが、清濁併せ呑む結末と、tofubeatsによる主題歌『RIVER』が深い余韻を残す。
DATA
『寝ても覚めても』
監督：濱口竜介
原作：柴崎友香
出演：東出昌大/唐田えりか ほか
配給：ビターズ・エンド、 エレファントハウス
テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほかにて全国ロードショー中
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［MEN’SEX2018年10月号の記事を再構成］（スタッフクレジットは本誌に記載）
