3シリーズに込められた「スポーツこそラグジュアリー」の精神
現行型5シリーズがデビューしたとき、ボクたちはその完成度の高さに敬意を表して「小さな7シリーズ」と評した。もちろん、ブランドフラッグシップの現行型7シリーズが最高にゴキゲンなサルーンだったから。
その文脈で新型3シリーズを評価すれば、自ずとそれは「小さな5シリーズ」となる。ところが…新型3シリーズの開発陣は、「小さな5シリーズだけは造りたくなかった」という。それはなにも見映えだけの話ではなく、ドライブフィールも含めてらしい。
果たして、ポルトガルはアルガルヴェ地方で試乗した新型G20の3シリーズは、”スポーツセダンとはかくあるべし”をもう一度思い出させてくれる、5や7とは兄弟でありながらもキャラクターの異なる、出色のサルーンに仕上がっていた。
最近のBMWは、スポーツイメージをいっそう強めようとしているようだ。少し前に登場したZ4や8シリーズも、スポーツカーとしての性能に磨きをかけていた。ハイエンドブランドがそうであるように、”スポーツ”を極めることが、クルマの場合、ラグジュアリィに直結するということを、それは物語っているようにも思える。
新型3シリーズの走りについて語る前に、どうしても触れておかなければいけないことがある。それはボディサイズだ。