国内最大級となるヘリテージカーの祭典「オートモビル カウンシル2018」が千葉市の幕張メッセで行われた。”クラシック・ミーツ・モダン”をテーマにした自動車メーカーによる新旧モデルの展示と専門店によるヘリテージ即売会も実施。ますます輝きを増しつつある、魅力溢れる名車たちに出会った。
“遺産”を意味するヘリテージ
ファッションや宝飾品、家具はもとより、自動車にも波及した世界的なヘリテージブーム。最新型にはないアート的デザインや、古さゆえの味わいが魅力の、言わば嗜好品だ。ことクルマにおいては、ヘリテージカーブームを一気に押し上げた空冷ポルシェ911のバブルが弾けて久しい。投機対象としての高まりを受け、希少モデルの億を超えるオークションプライスをはじめ、200万円以下でダブついていたタイプ964の911素カレラでさえ、当時は500万円以上の価格を掲げたことも。そんな”狂乱相場”はポルシェだけでなく、ほかの希少モデルや名車にも飛び火。特にコンディションの良い(日本には車検制度があるからそもそも状態が良い)空冷911モデルの多くが海外へ流出したと言われている。今や一時の過熱ぶりはすっかり下火になっているとはいえ、依然として伝説的ヘリテージカーの人気は高い。
そんなヘリテージカーを「一部の富裕者層のための道楽として終わらせるのではなく、後世に繋いでいくための場にしたい」と行われたのが、去る8月3日〜5日に千葉市・幕張メッセにて開催された「オートモビル カウンシル2018」である。国内自動車文化の創生とさらなる発展を目的に、今年3年目を迎えるヘリテージカーの国内最大級イベントだ。展示会場となる幕張メッセ、ホール4には国内メーカー5社、海外メーカー1社、サプライヤー4社、そして専門店の32社が出展。展示車両は昨年にもまして、100台余りがディスプレイ。わずか3日間という短い会期にもかかわらず、全国から述べ3万484名ものヘリテージカーラバーが押し寄せた。