【SUVを買う! vol.02】
新型ジムニーに見る”作業車”の進化と魅力
軍用車でもトラックでもない作業車という存在
SUVとひと括りにされているジャンルにも、その生い立ちやコンセプトから、様々なモデルが存在することは、以前お伝えしたとおり。その中でヘビーデューティモデルに属する、スズキ・ジムニーシリーズが7月5日にフルモデルチェンジを果たした。ちなみに、ジムニーは軽乗用車版で、ジムニー・シエラはボディはそのままにオーバーフェンダーをまとい、1.5リッターエンジンを搭載した小型登録車版となる。
ジムニーが誕生したのは1970年のこと。そのルーツは軍用車でなく、ピックアップトラックをベースにしたモデルでもない作業車。土木や建設の測量、林業のパトロール、そして山間地の商品運搬といった状況下で使える「プロの道具」として誕生した。そのため、走破性を高めるために強固なハードウェアを採用。それを軽自動車枠に収めた画期的なモデルだった。
その後、作業車としての機能性、雪深い山間部に求められる実用性を高めながらも、アウトドアにも使えるRVとして進化。98年デビューの先代モデルは、ラウンドしたフォルムも手伝って、作業車らしさは薄まったが、優れた走破性をトピックとしており、見た目と機能のアンバランスさや旧態依然とした乗り味が他のSUVに対してアドバンテージとなり、唯一無二の存在となった。
新型モデルは従来同様の走行性能、走破性を引き継ぎながら、ジムニー初体験の人にも受け入れられるように快適性、居住性、そして、実用性を大きく向上させている。デザインは、ヘビーデューティモデルらしさをベースにしながら、ボディカラーを含め、フィールドはもちろん、街でも映える存在感を手に入れた。つまり、ジムニーとしての”本物”をしっかりと残しながら、イマドキでも受け入れられる姿へと進化した。