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毎回オレのお供をしてくれるのはMEN’S EX若手編集のハシモトくん。彼はキャバクラでも3つ揃いでタイドアップ。で、横に付いた女のコに「本日は宜しくお願いします」と丁寧に挨拶する律儀な男だ。そんなハシモトくんと今回待ち合わせ場所として選んだのは、西新宿のホテル「パーク ハイアット 東京」の最上階52階にある「ニューヨーク グリル&バー」だ。そう、ここは日本の外資系ラグジュアリーホテルの先駆けとして、外国人客が多い、日本一夜景が美しいホテルバー。スマートコンサバを探る舞台として、不足はない。てか、こういうとこはハシモトじゃなくて、港区住民の東カレ女子と来てみたいなぁ?

と、それはさておき、前日にハシモトくんから「画伯はどんな格好で行きます?」とメールが来たもんだから、そだねー。パークはアート志向のホテルだから、コーデュロイの上着にフラノのパンツとサドルシューズで、ブルックリン在住のアート関係者風を装ってきた。ハシモトくんは例によってフラノの3つ揃いである。出掛ける前に男同士でこんな相談をするあたりがすでにスマートじゃないのだけれど、1回目ということでお許しいただきたい。

「あれ、ちょっと地味だったかも……」 

嘘のように天井が高く、奥行きのある空間。そして照明を落としたシックなインテリア。何よりも窓一面に広がるNYさながらの夜景が見る者を圧倒し非日常の世界へと誘う。そんなニューヨーク バーにコーデュロイのおじさんとフラノの3つ揃いの若者は少し映えない。ここはもっとドレスアップすべきだ。

同ホテルビバレッジ マネージャーの横田保和さんにお話を伺った。

パーク ハイアット 東京 ビバレッジ マネージャー 横田保和さん(イメージイラスト)

「ニューヨーク バーにいらっしゃる小粋なお客様ですか(笑)? そうですね、ロンドンからのお客様ですが毎回決まって同じカクテルを注文される方がいます。そういうお客様は印象に残りますね。その方が席に着けば、こちらも注文されるまでもなくいつものカクテルをお出しします。また、毎年年末はイヤーエンドパーティを開催するのですが、そういうハレの日に外国人のお客様はちゃんとドレスアップして楽しまれますね。こちらも思わずテンションが上がりますよ。ドレスアップしてバーを楽しむ日本人のお客様は少数派かも知れません」

くぅーっ、ヴェルヴェットのルームシューズとかいっぱい持ってるのに、何で今夜はサドルシューズだったかな。

というワケで、次回は少々ドレスアップして上等なお酒と葉巻をここニューヨーク バーで楽しみたい。下イラストは天空のバースタイルをイメージした一枚だ。リベンジ!

パーク ハイアット 東京 ビバレッジ マネージャー 横田保和さん(イメージイラスト)

絵と文・綿谷 寛

「今夜画伯のうちに泊まらせてください」。日曜夜10時。突然担当ハシモトくんから電話。そんな悲痛な声で懇願されても……。確かにイラストレーター生活40年の中でもベスト5に入る遅れっぷり。波乱の幕開けとなる。



[MEN’S EX 2018年4月号の記事を再構成]

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