
モータースポーツのDNAが息づく高性能EVは新フェーズへ
ハイパフォーマンスEVの世界は、“数値競争”の次のフェーズへと進みつつある。航続距離や0→100km/h加速といった表層的なスペックを超え、「いかに運転する愉しさを表現できるか」が問われる時代。ヒョンデの「アイオニック5 N(IONIQ 5 N)」は、その理想を体現するモデルの1台だ。2025年11月26日、一部改良を受けた最新仕様が日本で発売される。
アイオニック5 Nは、2015年に誕生した高性能ブランド「ヒョンデN(Hyundai N)」初の量産EVとして生み出された。南陽(ナムヤン)のR&D拠点と、試験走行の舞台であるニュルブルクリンクに由来する“N”の名は、WRCやTCR、ニュルブルクリンク24時間耐久など、数々のモータースポーツで鍛え上げられてきたDNAの象徴だ。「Corner Rascal(俊敏なコーナリング性能)」「Racetrack Capability(サーキット適応力)」「Everyday Sportscar(日常で楽しめるスポーツ性)」という3本柱で構築される開発思想は、市販車においても変わることなく貫かれている。
その哲学を電動化時代に投影した存在が、いわゆる“ヒョンデ5N”=アイオニック5 Nである。デュアルモーターAWDが生み出すシステム最高出力は、N Grin Boost作動時で478kW(約650ps)、通常時でも448kWを発生。最大トルクはBoost時770Nm、通常時740Nmと、スーパーカー級の数値を誇る。床下に搭載されるバッテリー容量は84.0kWh。ハイパフォーマンスと実用性を両立させる設計だ。0→100km/h加速はN Grin Boost使用時で3.4秒と、EVならではの強烈な瞬発力を武器とする。
今回の改良では、「N e-Shift」の対応領域が拡大し、従来は設定できなかったEcoモードでも使用可能となった。8速DCTの変速フィールを疑似再現することで、EVの実用域においても操る歓びを感じさせる演出を施している。また、「N Drift Optimizer PRO」は10段階調整に対応。ドライバーの技量や目的に応じて緻密なセッティングが可能となった。「N Launch Control」作動時には、サウンド演出を付加してスタート時の高揚感を強調する。Nモード画面のウィジェット表示数も6個へと拡張され、操作性とカスタマイズ性が高められている。
安全・快適装備も刷新。新採用の「インテリジェント フロント ライティング システム(IFS)」は、ハイビームを維持したまま対向車や先行車を自動で遮光制御し、夜間の視認性と安心感を両立する。ARナビゲーションでは、実写映像上に進行方向を重ねて表示し、市街地でのルート把握をより直感的なものとした。ビルトインドライブレコーダーや全席オートパワーウインドウ、後席ワンタッチフォールディング機構など、日常使いへの配慮も抜かりない。
車両価格は891万円。アイオニック5 Nは、ヒョンデNが積み上げてきたモータースポーツの哲学と、電動パワートレインならではの瞬発力、そして高度な制御技術を融合させ、電動化時代における“走る歓び”の新基準を提示する存在である。
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