エグゼクティブの身だしなみに相応しい「上質な無地」の整え力と、滲む個性。

成熟した大人の余裕。これもまた“上質な無地”のスーツから滲み出る魅力の一つである。ここに紹介するのは、ピンドットやシャークスキンといった織り柄の入った“遠目には無地”のスーツだが、かすれたようなニュアンスが加わることによって印象が和ぐので、余裕を表すには好都合だ。ライトからミディアムのトーンも同様。自ずと、仕立ても柔らかなそれを選ぶのが正解となろう。
そしてもう1つ、こだわりたいのがワイドラペル。広いラペルがもたらす堂々たる雰囲気は、そのまま大人の余裕にも繋がる。フィレンツェの雄、リヴェラーノ&リヴェラーノのスーツは、ソフトな仕立ても含めて理想的。ナポリ仕立てをベースとするサルトリア ラファニエロのダブルスーツも、同様である。春色を取り入れた温かみのあるVゾーンが、滲む余裕、色気を際立たせてくれるだろう。
SARTORIA RAFFANIELLO(サルトリア ラファニエロ)
柔らかな仕立ても余裕を表すファクト

アントニオ・パスカリエッロ氏に師事した経歴をもつ、東 徳行氏のテーラーより。丸みのある美しいフォルムに目を見張る、フルキャンバス仕立てによる既成のダブルスーツだ。スコットランド・カイノック社のしなやかな生地が、エレガントなテイストを後押しする。15万4000円(サルトリア ラファニエロ)
LIVERANO & LIVERANO(リヴェラーノ&リヴェラーノ)
ワイドラペルに漂う大人の余裕を味方にする

フィレンツェスタイルのスタンダードを追求した定番“A4”モデルのスーツである。ゴージ下がりの強い10cm超幅のラペルに、フロントダーツを用いず表現される膨らみのあるチェスト、丸みを帯びた肩周りが相まって生まれる柔らかなテイストは、唯一無二。57万2000円(LIVERANO & LIVERANO OSAKA)
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[MEN’S EX Spring 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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