ビジネスのかしこまった装いすら通用しない!? 「学校訪問スーツ」の真実
子どもの大切な日のために、備えて間違いのない装いを百貨店のスペシャリストに訊いてみた
子どもの受験や面談などに臨む父親の服装は、通常のビジネススタイルとは異なり、学校訪問時には適さないことがある。子どもの大切な日に備え、好印象を残せる服装をその道のプロに取材した。
![山形典亜さん/濃紺無地スーツ](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/ME24131_p50_1_re_1.jpg)
濃紺無地スーツが基本で、光沢が出すぎていて派手に見えるものや、ブランド名が露骨にわかるようなデザインのモノはまず避けるべきです。黒スーツも冠婚葬祭用の使い回しに見えてしまう場合があるのでNG。上質なウールスーツが最適で、父親らしい落ち着きと上品さを最優先に。
Profile
伊勢丹新宿店 紳士営業部 紳士販売担当
山形典亜さん
2024年度から、伊勢丹新宿店を担当するアテンダントチームに配属となり、お受験スーツの知識について学ぶ日々を送る。自らも来るべき日に備えて、先輩たちからのアドバイスをもとに、受験スタイルを実践する。
個性は無用! 誠実な印象を最優先に
![高山 光さん](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/ME24131_p50_1_re_2.png)
「ビジネススーツをお受験スーツとして代用しようとするお父さまもいらっしゃるようですが、それは危険です。まず、ビジネススーツとはまったく別物なのだという認識をお持ちください」という高山さん。定期的な授業参観や面談についても、「普段の仕事で着用している紺無地のスーツを着て行けば大丈夫だろう、と考えていた人は要注意です!」と警告する。
では一体どんなスーツが正解なのだろうか?
「学校訪問のまず最初の行事でもあるお受験のスーツは、よりフォーマルな場に適した濃紺無地で、その後、お子さまの入学式や卒業式などの式典、面談にもお召しいただける格を備えたスーツです。ジャケットの合わせはシングルボタンで、2Bや3Bなどの決まりは特になく、背中のベントも体型に合わせてセンターでもサイドでもどちらでも問題はありません。フロントボタンを止めた際に、握りこぶし一個分くらいの余裕があるシルエットが理想的でしょう。そして、パンツの裾はフォーマルなシングル仕上げで、ダブルはNG。面接の際に着席して裾が上がりますので、パンツ丈は長めに設定されると良いと思います」。あくまで、「主役は子ども」。両親は子どもをサポートする立場であることを理解し、場に適った正しい装いを心掛けるようにしてほしい。
Profile
伊勢丹新宿店 紳士営業部 シニアカテゴリースペシャリスト
高山 光さん
メンズ館の顧客の様々な要望やお悩みに対応するスペシャリスト。クラシックなビジネス服を得意とし、お受験スーツに関してもメンズ館随一の知識を誇る。
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[MEN’S EX Winter 2025の記事を再構成]
※表示価格は税込み。