著名な現代作家たちから直に学べる子ども向けアート教室「intoART SHIROKANE」が開校

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intoART SHIROKANE

様々なアート分野での創作活動を通じて、子どもたちの表現力と創造力を育むアート教室「intoART SHIROKANE」が東京・白金に開校した。同校は幼児と小学生を対象としており、単に絵の描き方を教えるのではなく、国内外で活躍するアーティストから直接アートを学び、ものづくりの楽しさを体験することで、独創性を養い、自分の個性を発見する場を目指しているのが特徴だ。

そのために、カリキュラムや設備、インストラクター、教室の雰囲気に至るまで、ユニークな工夫が施されている。例えば、“あたたかく、ひらかれた雰囲気”を重視している点。「子どもたちそれぞれのアトリエ」をキーワードに、子どもたちをあたたかく迎え入れ、安心して自分を表現できるよう促す、包容力と自由度を兼ね備えた環境づくりに重点を置いている。

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また、季節や時事をはじめ、アートシーンの潮流、伝統的な遊びや玩具、素材の実験といった幅広いテーマとアイディアを設定。それに基づいたプログラムを体験することで、世界の機微をつぶさに味わう感性や知識を養うことができるのだ。そして、絵の具、クレヨン、粘土、紙、布、接着剤、泡、レンズなど、多様な素材と基礎的な技法を楽しく学ぶことで、自分の感性と表現を結びつけていけるようにしている。

教室スタッフも、上記方針を大事にすべく、子どもたちが自分のアイディアを自由にかたちにできるようサポートし、それぞれのペースで創作に取り組める体制をつくることで、自由な創作の可能性を支えている。 また、現代アートのアーティストをゲストに迎えた特別ワークショップを不定期に開催し、アーティストと直接向き合いながら創作に取り組む機会があるのも「intoART SHIROKANE」ならではだ。

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アドバイザーには作家・キュレーターの丹原 健翔氏と彫刻家・京都芸術大学教授の名和晃平氏が、プログラムの監修者にはアーティストであり、九州産業大学教授を務めるロバート・プラット氏、同じくアーティストのブルノ・ボテラ氏らが名を連ねる。名和氏は以下のようにアート教育の大切さを説く。

「義務教育における『美術』のカリキュラムを見ると、割り当てられている時間数が非常に少ないんです。美術と一口に言ってもその表現は極めて多様で 素材や技法も無数にあります。にもかかわらず、授業時間は削られていく一方なんです。そうした状況を知るにつけ、もっと子どもたちがのびのびと美術に取り組めるようにできないだろうかと思っていました。ですので本カリキュラムでは、子どもたちがアートについて深く知り、体験する機会をつくれればと思っています」

自身もアーティストとして活躍する一方で、大学で教鞭をとる名和氏。普段、美大生を相手に教える機会はあるが、アートの素地は大学生になる前から必要だと感じているという。

「日本では美大生になって初めて、体系的・実践的なアート教育を受ける機会を得られるというのが現状です。しかし私はむしろ、美大に入るまでの成長の時期をこそ充実させるべきではないかと考えています。子どもの頃からさまざまな形や色、表現に触れ、その中で特に創作に興味を持った子たちがアーティストを目指す、という流れがつくれると望ましいですね。つくりながら成長していくというか。ですからこのプログラムでは、必ずしも成果物をゴールにはしていません。創作のプロセスや発見すること、つくる動機そのものを大切にしています。大きな成果物、目標に向かうことも必要ですが、それだけにはしない方がよいと思っています」

intoART SHIROKANE

こうした思いもあり、「intoART SHIROKANE」では、近代から現代に至るアートの歴史や現代アートのエッセンスを楽しく学ぶことで、創造の幅と深さを育めるほか、アーティストとともに取り組む特別ワークショップも実施している。また、7月に横浜で開催されたアートフェア「Tokyo Gendai」では、開校に先駆けて、託児サービスを兼ねた子ども向けのワークショップを実施した。

「これまでのアートフェアには、子ども連れだと参加しづらい部分がありました。親御さんは子どもから目が離せないし、子どもたちは十分に展示を理解できず楽しめない。ですので、会場でお子さんを預かると同時に創作に触れる機会を提供できれば、親子それぞれにとってアートフェアがよりよい体験になると思ったんです。今の子どもたちは現代アートに触れる機会も増えており、それ自体は未来のアーティストやコレクターを育む重要なきっかけです。しかし通常の展覧会やコレクターの展示などは、子どもたちに向けた入り口として少し唐突すぎるかもしれません。アートを理解するには、今までの表現の歴史——それぞれの表現が生まれた時代的・文化的な背景から、なぜアーティストはこの作品をつくるに至ったのかという文脈まで——を俯瞰して見ることが重要です。これらを大人になってから急に学ぶのではなく、子どもの頃からいろいろな表現を観て、触れる中で少しずつマッピングしていけると、理想的なアート教育の環境がつくれるのではないかと思っています。」

intoART SHIROKANE

intoART SHIROKANE教室概要

●日時:土曜日クラス ①10:00~12:00 ②14:00~16:00 水曜日クラス ①16:00~18:00 ②17:00~19:00
●料金:入会金 10,000円 月額 17,400円
●アドバイザー:丹原 健翔氏(キュレーター)、名和 晃平氏(彫刻家)
●プログラム監修:Robert Platt(ロバート・プラット)氏(アーティスト/九州産業大学教授) Bruno Botella(ブルノ・ボテラ)氏、安部田 そらの氏(アート・コミュニケータ/ワークショップをつくるひと)
●インストラクター:古川 実季氏(アーティスト/東京藝術大学特任助手)
池田 杏莉氏(アーティスト/青山学院中等部非常勤講師)
●所在地:〒108-0072 東京都港区白金5-12-24 2階
●問合せ
mail:intoart.shirokane@gotoschoolinc.com

2024

VOL.342

Autumn

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