ファッションとしてはもちろん、確かな品質も備えた本格眼鏡。鯖江の老舗から世界の有名メゾンまで圧巻の1000本以上の最新フレームを1冊に網羅した『本格眼鏡大全 2024』が発売中。その中身を一部ピックアップしてご紹介する。

JULIUS TART OPTICAL（ジュリアス タート オプティカル）

古き良き米国アイウェアを日本の技術で忠実に再現

1950年代初頭の米国で、ジュリアス・タートが創業したタート・オプティカル・エンタープライズ社。同社が手掛けたプラフレームの眼鏡はデザインも新鮮で、1950〜60年代にニューヨークを中心に一世を風靡する。なかでも人気を集めたのが「ARNEL」であり、同社の代表作としてジェームズ・ディーンなどの有名人に愛用された。同モデルは1970年代に生産中止となるが、近年、ジョニー・デップをはじめファッショニスタの間でヴィンテージ品が人気を呼び、価格高騰とともにコピー品も出回るようになった。

この状況を憂いたのがジュリアスの甥リチャード・タートとディレクターのタミー・オガラで、2人は2016年にジュリアス タート オプティカルを創設し、膨大なアーカイブをもとに復刻モデルを発表。ニューヨークの古き良き時代の雰囲気を残しつつ、新たにアートやカルチャーなどからインスピレーションを得た進化形コレクションを展開している。

これらの製造を担うのがタミー氏の会社The LIGHTが所有する鯖江の眼鏡工場。日本が世界に誇る高度な技術のもと、デザインやフォルムを真似るだけでなく、素材や製法までも踏襲して再現する。そのリアルな復刻は見事というしかない。

ブランドの礎を築いた創業者

タート・オプティカルの創業者ジュリアス・タート。甥のリチャード・タートらがその意匠を受け継ぎ、2016年にジュリアス タート オプティカルを創設。復刻モデルを中心に展開する。