威風堂々、静かなる巨人、ロールス・ロイスがBEV「スペクター」で実現したドライブとは?

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威風堂々、静かなる巨人、ロールス・ロイスがBEV「スペクター」で実現したドライブとは?

ロールス・ロイス初のBEV(バッテリー式EV)である「スペクター」が世界に向けて発表されたのは2022年10月。あのロールス・ロイスもついにEV化へ!というニュースはまたたくまに世界中に広がった。「スペクター」は昨年6月、日本に上陸。「幽霊」「亡霊」の名を冠したEV車に今回、東京で試乗する機会に恵まれたので、その様子をレポートしたい。

スペクター
「ファントム」の精神的後継車という位置づけの「スペクター」。

ロールス・ロイスが“ウルトラ・ラグジュアリー・スーパー・クーペ”と定義する「スペクター」。パンテオン・グリルの重厚感あるフロントは伝統を感じさせつつ、その流麗なフォルムは、一目見たときに「かっこいい」という感想をいだかせる。なにより2ドアファストバックというスポーティなつくりは、まさに“運転を楽しむ”一台といえよう。

スペクター
車重は2890kgとヘビー級。それでもハンドリングはとても軽快。一充電における航続距離は約530km(WLTP)。開発時、250万㎞以上のテスト走行を行い、そのさまざまなテストによって使用可能な年数は400年以上を想定する。

無論、ロールス・ロイスならではのラグジュアリー感は健在だ。フロアにはふわふわのマットが敷かれ、シートの座り心地はゆったりと体を包み込んでくれる。夜の星空を表現した光ファイバーのライトが天井で煌めく“スターライト・ヘッドライナー”は、車内にいることを忘れさせてくれるようだ。ドアの開閉がとても“優しい”のも、ショーファーカーとしての矜持を感じさせる点だ。なお、「スペクター」独自の仕様として、車内に乗り込んだ後にブレーキペダルを踏むことで運転席のドアが自動で閉まる機能も搭載している。

スターライト・ヘッドライナー
ビスポークの“スターライト・ヘッドライナー”は星空のように光ファイバーのライトを天井に埋め込んでいる。スペクターでは初めて、「スターライト・ドア」としてドアにも選択可能となった。「ビスポーク・オーディオ」のサウンドシステムは、18個のスピーカーで奏でる“イマーシブオーディオ”で、360度全方位から音が響く、没入感の高い音響システムだ。

エンジンをかけるとその静粛性には驚かされる。いや、本来、EV車とは静粛性に優れているものだ。そして、ロールス・ロイスも元々、非常に静粛性の高いエンジン車を生み出していた。したがって、静粛であることは当たり前なのかもしれない。だが、「スペクター」で街中を走ると、他のクルマでは感じることない“さらなる静粛性”に驚かされる。空気抵抗やサスペンション、運転システムの通知オンまで、音にこだわり、クルマの構造にこだわってきた結果といえよう。さらに、搭載する独自のサウンドシステムとあいまって、心地よいサウンドだけが鳴り響く、コンサートホールのような贅沢な空間へと造り上げられているのだ。

スペクター
パンテオン・グリルはエアロダイナミクスに配慮し傾けられている。ルーフラインはトップからリアまでシームレスに流れ、下部サイドの“ワフト・ライン”はヨットのデザインから着想。ホイールは23インチ。これは同社の2ドアクーペとしては100年ぶりなのだとか。

アクセルを踏むとゆっくり、ゆったりと、エレガントな走りだし。決して、急加速しない。“マジック・カーペット・ライド(空飛ぶじゅうたん)”と称される乗り心地の良さや走行安定性も健在だ。シフトセレクターで「B」を設定すると、ワンペダルドライブに対応。アクセルペダル一つで、発進&停止の操作が可能に。特に街中走行では慣れると楽な機能だ。

そのサイズ感、そして重量に、圧倒されがちではあるが、「スペクター」はとにかく快適で運転しやすいという印象だった。意のままに操る、快適なドライブをとことん追求したロールス・ロイスらしい一台。妥協なき“完璧な”クルマ造りを目指し、静粛性を追求してきたロールス・ロイスの一つの金字塔といえるクルマだ。

スペクター
102kWhの大容量の駆動用バッテリーを搭載。モーターは前後に1基ずつ搭載され、フロントが最高出力190kW、最大トルク365Nm。リアは360kWと710Nmを誇る。“アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー”と称されるスペースフレームは、オールアルミニウム製。ロールス・ロイス独自の技術だ。全長×全幅×全高=5475×2144×1573mm。4800万円~

ロールス・ロイス スペクターの詳細は こちら

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