2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【Cal.2953】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
Cal.2953
ムーブメントはあくまで伝統に則る
各パーツごとにブリッジを分割し、調整を容易とする高級時計の古典を踏襲。ハンマーの調速を担うガバナーも、歯車とレバー、スプリングを組み合わせた伝統的な機械式を採用する。その機構自体も、M字型のスプリングを新考案し作動音を軽減している。
ミニッツリピーター
オーデマ ピゲ[CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ ミニッツリピーター スーパーソヌリ/41ミリ]
時を打つパーツの動きを透かし見せる
ダイヤルにスモーキーなサファイアクリスタルを採用。ミニッツリピーターのカムやラックが透けて見え、それらが連動しながらゴングを鳴らす動きが楽しめる。手巻き。径41mm。18KPGケース。ラバー加工ストラップ。
豊かな音色で時を知らせる
オーデマ ピゲは創業時から途切れず、リピーター機構の製作技術を研鑽してきた。そして2015年、同機構における革新的な構造を生み出した。元来はムーブメントの外周に取り付けられるゴングを、特殊な合金製の音響板に取り付けることで、音色を増幅させたのだ。さらに音色は、音響板と裏蓋との間の空間によってより豊かになる。この革新的な構造を名付けて、スーパーソヌリ。
2006年からローザンヌ工科大学と共同研究をスタートし、楽器製造エンジニアの協力も得て、理想の音色を奏でる構造が完成に至った。スーパーソヌリは、他のミニッツリピーターとは逆に、手首に装着したときに音が大きくなる特性をもつ。また音響板の存在により20m防水も実現。複雑機構の実用性も高まった。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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