2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【キャリバー9ST1】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
キャリバー9ST1

先進技術を注ぎ込み、2つの高精度機構を実現
脱進機は超精密成形技術MEMSでスケルトン構造とし、コンスタントフォースのストップ車は高精度に切削加工されたセラミック製。世界初の機構には、先進技術が注ぎ込まれる。ブリッジや各パーツは、彫金技術を応用して一段上の審美性が与えられている。
トゥールビヨン
グランドセイコー[Kodo コンスタントフォース トゥールビヨン]
![グランドセイコー[Kodo コンスタントフォース トゥールビヨン]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/ME_2024_udedokeinoshikumi_fukuzatsu_p134_2.jpg)
宙に浮くかのように回る二重キャリッジ
革新的機構の両サイドを開き、回転する様子を見せている。内側のキャリッジには人工ルビーを1つ取り付け、秒針を兼ねさせた。手巻き。径43.8mm。Pt+ブリリアントハードチタンケース。姫路黒桟革ストラップ。
高精度機構をダブルで搭載
時分針をオフセットしたスケルトンダイヤルは、グランドセイコーとしては極めて異例である。その6時位置で堂々とした姿を見せているのは、ブランド初のトゥールビヨン。しかもキャリッジは二重構造で、外側のキャリッジには、その回転でバネに蓄えた一定のトルクを脱進機に送るコンスタントフォースが備わる。
重力の影響を平均化するトゥールビヨンと、均一のトルクで時計を動かすコンスタントフォースは、ともに精度向上が目的の複雑機構。これらの同時搭載は他社にもあったが、2つを同軸に置いたのは世界初だ。誕生した2022年には時計界で最も権威のあるプライズ、ジュネーブ・ウォッチ・グランプリで卓越した高精度時計に贈られるクロノメトリー賞に輝き、実力が世界に認められた。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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