ようやく冬めいてきた今日この頃。暑さが続いていた日々から一転、急に肌寒くなり、慌てて冬モノを買いに走る方も多いだろう。今季、アウターを新調しようとしている方、買いに走る気持ちをいったん抑えて、ぜひ、本記事をご一読あれ。ビームスきってのファッショニスタのお三方に、イチオシアウターを教えていただいた。ぜひ、その着こなしとあわせてチェックしてほしい。

初めに登場いただくのは、BEAMS Fのディレクター、西口修平さん。西口さんが推すのはウールリッチの80年代初頭の中綿ジャケットをベースに完全別注し、製作したダウンジャケットだ。

「細部にオリジナル“らしさ”を踏襲しながら、上質な天然ダウンに滑らかで綺麗なボディのシェルなど、大人が大人らしく、品良く着られるレトロモダンな一着に仕上げました。こちらのダウン、カジュアルな装いにはまず間違いないですが、スーツスタイルに合わせるのもまた格好良い。キャバルリーツイルのスーツにラグソールのビットブーツ、ウエスタンシャツ、アニマル柄のスカーフなど様々な国、時代感をミックスさせて。入り組んでいるようでなんとなく自然と収まっているような、そんな大人の熟したスタイリングを目指しました」

Brilla per il gustoのディレクター、小林順平さんが「合わせやすさ、汎用性の高さでは随一です」と太鼓判を押すのがデュノのピーコート。今シーズンの展示会で一際目をひいたアイテムだったと語る。撥水、透湿機能素材のテクニカルウールという使い勝手の良さに加えて、着脱可能なフロントのキルティングが今の時代に新鮮に映る。

「機能性に加えて、ブランドらしい洗練された顔つきと綺麗な仕立てで、非常にモダンな佇まいをしています。なんといっても最大のポイントは、やはりこの着脱ができるフロントのキルティング。イタリアでは定番のデザインながら、近年あまり見かけることがありませんでしたので新鮮に映りました。マフラーなどの巻物が苦手な方でも快適に、こなれて羽織ることができ、取り外してシンプルに着るスタイルも愉しめます。最近は王道的着こなしが気分なので、今日も極力シンプルに。ネイビーとオフホワイトのクリーンなコンビネーションにブラウンの足もとで、ほんのりとアズーロエマローネの配色を入れました。アウターの持つ上品な存在感を活かすべく、引き算のコーディネートで大人らしい装いに仕上げています」

そして、ビームスのプレスを務める芹沢良輔さんのお墨付きはビームスFのバルカラーコート。優美な落ち感を見せてくれる一枚袖のディテールが特徴だ。オーセンティックかつシンプルな顔つきで、どんなスタイルにも馴染んでくれる汎用性の高さが魅力だと芹沢さんは語る。着込んでいくほどに味わい深さが増す、ドレススタイルからカジュアルまでコーディネートを選ばない一着なのだ。

「こちらはハリスツイードのブラウンヘリンボーンを載せることで、ヘリテージなクラシックさがよりいっそう際立った一着に仕上がっています。その空気感を活かしながら、今日は今の気分に乗せたカジュアルスタイルで。キリムベストやキャッツレッグのジャケットでブラウンを重ね、全体的に温かみのあるイメージに。バルカラーコートはフロントを閉めると素直な印象になりがちなので、ストールで動きをつけているところもポイントです」