大ヒットした初代のキープコンセプト
GLAからGLSまで、世界的に人気のSUVモデルをフルラインアップするメルセデス・ベンツ。そのなかでももっとも人気なのが、GLC。CクラスをベースとするミドルサイズSUVだ。これまで全世界での累計販売台数は約260万台に到達するという。
そのGLCが、およそ7年ぶりに2代目へとフルモデルチェンジした。初代が大ヒットしただけに、新型となる2代目はデザインなど、キープコンセプトでまとめられている。
ボディサイズは、全長4725mm、全幅1890mm、全高1635mm。先代比では全長のみ+50mm拡大しているが、全幅は同寸、全高は−5mmと、日本の道でもちょうどいいサイズをキープ。全長を伸ばしたことにより、ラゲッジルームの奥行きが+78mmに、積載容量は、通常時は+70リッターの620リッター、2列目シートを格納した際の最大積載量は+80リッターの1680リッターへとラゲッジスペースを拡大した。
エクステリアデザインは、メルセデスのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を継承するシンプルなもの。真横から見ると特徴的な弧を描くサイドウインドウグラフィックも踏襲する。先代とのわかりやすい識別点は、ヘッドライトとグリルが一体化されたことだ。そしてAMGラインではフロントグリルの周囲はブラックに、グリル内部には小さなスリーポインテッドスターが立体的に配されたスターパターングリルを採用する。パッケージとしては、標準仕様とAMGラインの2種類があるが、ほとんどのオーナーが後者を選ぶという。
インテリアデザインは、Cクラスなどの流れを踏襲する最新のもの。運転席の目の前には、浮かんでいるように見える12.3インチの大型コックピットディスプレイを、ダッシュボードの中央には、縦型の11.9インチのメディアディスプレイを配置。こちらは視認性を高めるため、ドライバー側に6度傾けられている。
「ハイ、メルセデス」と話しかけることで、ナビや音楽、エアコンの温度設定などができる自然言語による対話型インフォテインメントシステム・MBUXは最新世代のものを搭載する。「スライディングルーフを開けて」と言うと、サンルーフを開いてくれたり、オプションのヘッドアップディスプレイのオンオフなど、以前のバージョンではできなかった操作が可能になっていて進化を感じた。また車両の前方を映した現実の映像上に矢印などを表示するなど、進行方向が把握しやすい最新のAR (Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションをSUVとして初めて採用する。