高い=高級ではない! 名⾨スイス製からお馴染み国産時計まで、30万円以下*で買える傑作時計150本超を掲載した絶賛発売中のムック『U(アンダー)30万円で一生使える傑作腕時計150』。その中身をピックアップしてご紹介。
*税抜き・2022年9月現在
【U30万円なのに一生直せる】
150年以上の歴史は伊達じゃない!
「生涯修理」宣言ブランド
どんなに古い自社製品でもメンテナンスに応じる“生涯修理”ブランドは、もちろんU30万円モデルでも生涯修理してもらえる。これは150年以上の歴史をもつ名門ならではの取り組みといえる。
BAUME&MERCIER 1830年創業
どの時代の時計も修復できる190年以上一度も途絶えぬ歴史
産業革命がピークを迎える1830年、ボーム家の2人の兄弟が開設した時計工房を起源とするボーム&メルシエ。この工房は当時から数百人の従業員をかかえ、スイス時計産業の中心地ジュラの中でも最大級の規模を誇った。1850年代にはロンドンを手始めに、大英帝国下のインド、アフリカ、シンガポール、オーストラリアに出店。さらにフィラデルフィアとジュネーブにも支店を開き、欧州およびアメリカでの地位を確立する。
また、1880年以降は時計の大会にも積極的に参加。1892年にロンドンの天文台に出展したトゥールビヨンが最高得点をマークしたのをはじめ、多くの国際大会で賞を獲得することにより、持ち前の技術力の高さを世界中に知らしめた。
20世紀に入ると、ウィリアム・ボームとポール・メルシエの共同事業となり、腕時計が中心の時代になってからも、世の中の変化やトレンドを読み取りながら、時計作りに真摯に向き合ってきたこのブランド。特に時計の価格に関しては非常にシビアであり「最高品質を適正価格で」と言うスタイルは、昔も今も変わらずU30万円で手に入るモデルも多く揃える。また、190年以上にわたり一度も歴史が途絶えたことがない同社では、基本的にヴィンテージ/コンテンポラリーの垣根なく、どの時代の製品であっても修理やメンテナンスに応じている。
例えば、パーツの替えがない古い時計は、その時代に合ったパーツストックなどで対応可能。これまでカスタマーサービスに持ち込まれた製品のうち、修理不能という理由で断ったものはないという。
兄弟で興したスイスの名門
1830年、ボーム兄弟によりスイス・ジュラ地区で創業。1851年にはロンドンに「ボーム・ブラザーズ」を設立。その後、ウィリアム・ボームとポール・メルシエが共同で事業を開始し、1920年にジュネーブを拠点とするボーム&メルシエへと発展する。