高い=高級ではない! 名⾨スイス製からお馴染み国産時計まで、30万円以下*で買える傑作時計150本超を掲載した絶賛発売中のムック『U(アンダー)30万円で一生使える傑作腕時計150』。その中身をピックアップしてご紹介。
*税抜き・2022年9月現在
【注目のU30万円モデル】
ロンジン スピリット
LONGINES(ロンジン)
視認性、操作性に優れ、高精度! パイオニア精神を継承する3針時計
ロンジンは1919年、フランス飛行クラブが中心となって設立した国際航空連盟(FAI)に公式認定された。これは高精度かつ信頼性の高い航空機器や時計装置の開発が認められたことによる。そしてそれは、1927年にロンジンの計時のもと、史上初の大西洋単独横断飛行に成功したチャールズ・リンドバーグをはじめ、女性で初めてこれを成し遂げたアメリア・イアハート、ポール=エミール・ヴィクトール、エリノア・スミス、ハワード・ヒューズといった伝説的な飛行士や冒険家たちが、こぞってロンジンの時計を腕に着けたことでも証明されよう。
なかでも航空時計の最高傑作とされるのが、1927年のウィームスモデルを発展させ、リンドバーグのアイデアを取り入れてロンジンが1931年に製品化した「アワーアングル ウォッチ」である。複雑な数字を配列した回転ベゼルと、同じく回転式インナーダイヤルの組み合わせにより、経緯度計算を容易にし、地理的位置を正確に測定することを可能にした本作は、GPSが存在しない時代におけるパイロットの必須アイテムとなった。
こうしたロンジンと冒険家たちのパイオニア精神を受け継ぎ、モダンな要素を加えて作り上げたモデルが「スピリット」だ。マットブラックの文字盤は、アワーマーカーを窪ませた段付きの立体構造となり、高く切り立つアプライドのアラビアンインデックスを配して視認性抜群のスタイルに。ケースは上品な小振りの37mmで、操作性に優れた大型リューズを備える。また内部には、シリコン製ひげゼンマイを採用したCOSC認定クロノメーターのムーブメントを搭載。文字盤6時位置の歴史的なファイブスターが、その高精度ぶりとクオリティの高さを物語る。
約1世紀にわたる同社パイロットウォッチの伝統を凝縮したこの1本。U30万円の価格を超えた価値がそこにはある。