受け継がれる職人技、進化する工場の技術
逸品に宿る腕利きの神業
伝統的な技や革新的技術を用いて作られる逸品たちを多彩な技を切り口に紹介する。
あらゆる職人技の中でも、最も手仕事の味わいを感じられるものの一つに「編み」があげられるのではないだろうか。特別な道具を使わず、時間をかけて編み目を重ねることで生まれる逸品を手に取ると、滲み出る作り手の愛情を、直に感じ取ることができるだろう。
それらの“編みの逸品”のなかには、山ぶどうの蔓カゴバッグのように人里離れた山奥で、落石、遭難、さらには熊に襲われる危険と向き合って、木々に巻きつき自生している葡萄の蔓を採取するような必要があるものも。
そうした、作り手が存分に手間をかけることで醸し出される温もりが、毛、革、蔓といった自然素材と合わさって、より一層際立っている。
─編─
手仕事による温もりが漂う
KESENNUMA KNITTING
気仙沼ニッティングの[MM01]
編みを重ねて生まれる空気を含む柔らかさ
気仙沼に住む編み職人により手と目で編み地をたしかめながら、ひと目ひと目、編み上げて作られる。編む際に糸を引っ張ってテンションをかける機械編みに対して、手編みは糸に空気を含んだまま編むのでローゲージでも柔らかく温もりのある佇まいに仕上がる。編み手の名前が表記されたタグも付属。16万5000円(気仙沼ニッティング)