綿谷寛画伯の「コンサバお洒落妄想旅計画」~サンフランシスコで『ブリット』巡礼旅~

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綿谷画伯のコンサバお洒落妄想旅計画

家に籠る時間が増えると、自ずと旅への想いが募るもの。訪れたい地へ想いを馳せれば、何を着ていくか、何が食べたいかと、そこでの楽しみ方が浮かんでくる。取材に遊びに、国内外のあらゆる地へ足を運んだ、画伯が思い描く、とっておきの旅計画を参考に、ぜひ貴方も自身の旅の妄想を膨らませて欲しい。

マックイーンのブリットスタイル

サンフランシスコで『ブリット』巡礼旅

マックイーンと同じ靴で歩き映画『ブリット』のロケ地を巡る

「あら、お父さんまだ寝ないの?」 「うん。ちょっと観たい映画があるから……」

「めずらしいね。どうせ最後まで起きてられないんだから、ちゃんと電気を消して早く寝てよ~」「ハイハイ。モチのロンです」(んもおー。やかましいなー。さっさと先に寝てよ)

と、カミさんが寝室へ消えていくのを確認したところで、ひとりコソコソと深夜の映画鑑賞を前にあれこれ用意。

え~と、今夜の一杯はアメリカ映画に合わせてジャック ダニエルを。で、酒の肴は……フフフ、今年日本に初上陸したハットン・プレイタイムだい! この真新しいマッドガードのスエードチャッカブーツを箱から取り出して目の前に置き、それを愛でながらオンザロックを手にチビチビ。じっくりとスティーブ・マックイーンの名作『ブリット』(1968年)を楽しもうという寸法だ。

クールでニヒルな主人公のブリット警部補を演じるマックイーンのアンチヒーローとサンフランシスコの街中を舞台に繰り広げられるリアルカーチェイスは、アクション映画の金字塔として半世紀以上経った今観ても色褪せない。一方で、衣装にも徹底的にこだわったマックイーンのブリットスタイルはお洒落男子にも多大な影響を与えた。そのひとつが、映画の中でもプライベートでもマックイーンのお気に入りだったマッドガードのスエードチャッカブーツだ。永らくファンの間で「あれはどこの?」と話題になったものだけど、それがこの度ハットン製のモノだと判明。マックイーンと同じ靴を履いたり脱いだりしながら観るブリットはまた格別です♡ ラストの夜の空港の滑走路でブリットが懸命に走るシーンでは“あんなに全速力で走り回ってマッドガードがぶっ壊れないか”と、物語よりもそっちの方が気になり、別の意味で手に汗握りました(笑)。

マックイーンと同じ靴で歩き映画『ブリット』のロケ地を巡る

サンフランシスコ市の全面協力のもと、オープンセットなしでの市街地のロケ撮影はスタイリッシュで、映画を観たあとは、久しぶりにサンフランシスコの坂道をハットン・プレイタイムで歩いてみたくなった。

サンフランシスコといえば、’60年代にマックイーンが通ったトラッドショップ「ケーブルカークロージャーズ」は今も変わらず健在。マックイーンノアイコンでもあるバラクータG9を店の定番として置いてるのが嬉しいではないか。

サンフランシスコの夜は冷える。ヘリンボーンツイードのジャケットを一枚持っていこう。見た目アメトラだけどサイドベンツ。マックイーンへのオマージュである。

綿谷 寛氏イラスト
絵と文・綿谷 寛

10年生活を共にした甘えん坊の愛犬が旅立ち、只今ペットロス中。日課だった朝夕晩の散歩や介護がポッカリなくなり、改めて愛犬の存在の大きさをひしひしと感じる日々。外での予定がない限りうちの中で絵を描き続ける仕事柄、犬の散歩でもないと歩かないし、3日間1歩も外に出ないなんて当たり前。それで糖尿病になったこともあるしね。カミさんから「あっという間に老けるから早く犬を飼いなよ」とせっつかれてるけど、さてどうなりますか……。



[MEN’S EX Autumn 2022の記事を再構成]

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