1922年11月1日に創業した東京會舘。西洋文化に日本中の人々が憧れを抱いていた時代、「世界に誇れる施設ながら、誰もが利用できる人々が集う社交場」を目指して開場された。1923年の関東大震災の被災を乗り越えた後に、「東京會舘スタイル」を確立し、「社交の殿堂」となっていく。1934年には日本初の鮮魚介料理店がオープンし、現在も東京會舘のメインレストラン「プルニエ」として当時の空気を伝えている。
「プルニエ」のグランドオープン時、シェフを務めたのは1930年代にパリにわたり、「プルニエ」や「ホテル・リッツ」で修業した田中徳三郎。彼がパリから持ち帰ったその味は、長年日本のフランス料理の手本でもあり続け、今なお脈々と受け継がれている。
その後、マッカーサーや昭和を代表する文豪たちに愛されてきた東京會舘。今年めでたく100周年を迎えるにあたって、様々な記念フェアが用意される。ここではその一部をご紹介しよう。
まず、100周年記念フルーツケーキ(8000円、11月30日までの提供)。こちらは、12種類のドライフルーツをポートワインに1ヶ月漬け込み、北海道産の発酵バターを使った生地で焼き上げたもの。会場当初からフレンチのシェフ、そして、パティシエを擁し、本格的なフランス料理を提供してきた東京會舘ならではの、料理人たちの技術が光る逸品だ。
本舘のメインバーでは、東京會舘のシンボルである大宴会場「ローズルーム」にちなんだカクテル「エターナル ローズ」(1870円)が供される。こちらは、100周年記念コンテストのカクテル部門で最優秀賞を受賞したカクテルで、初代本館の特徴であるルネッサンス様式にインスパイアされたもの。