最も身近な複雑時計であり、デザイン性も高く、メカ好きからファッション好きまでを魅了するクロノグラフ。そんなクロノグラフ180本を紹介するバイヤーズガイド『超本格クロノグラフ大全』から、その中身をピックアップしてご紹介。
【注目のクロノグラフ】
スポーツコレクション スプリングドライブ クロノグラフGMT SBGC244
GRAND SEIKO(グランドセイコー)
ゼンマイ駆動にクオーツ制御! GMTも載せたラグジュアリークロノ
1960年に誕生したグランドセイコー(GS)。世界最高峰の時計を作り出すというコンセプトから生まれたこのコレクションは、手巻きの初代から現行モデルまで、ムーブメントの駆動形式などを進化させながら、腕時計の本質を高次元で追求するという伝統を守り抜いてきた。初代誕生から7年後の’67年に初の自動巻きモデル、’88年に初のクオーツモデルが登場。2004年には、機械式とクオーツのそれぞれのメリットを融合し、セイコーが独自に開発した「スプリングドライブ」搭載モデルも登場している。そして’07年には、クロノグラフ&GMTの多機能を備えた高精度スプリングドライブ搭載の「9R86」が加わった。
同シリーズは、ストップウォッチ機能を含む時計の駆動をゼンマイとしながら、本体の調速機能はクオーツ制御という機械式とクオーツ式のよいところどり。これにより従来の機械式では不可能だった月差±15秒の超高精度とともに、72時間のロングパワーリザーブも実現した。また、クロノグラフの制御にはコラムホイール方式、動力伝達には垂直クラッチ方式と、もっとも正確で信頼性が高く、高級機でしか味わえない内部システムに作り上げている。
この高精度・高品質ムーブを受け継いだGSの最新作では、トップにブラックセラミック、その周囲にピンクゴールドを配したコンビ仕様のベゼルを取り入れた。多角形のピンクゴールドは、インデックスの延長線上に頂点がくる12角形とすることで、どの角度からでも時刻が読み取りやすく、同時に多彩な光沢を生み出す。同じくPG製のプッシュボタンもコラムホイールならではの押し心地で、さらに海外旅行に便利なGMT機能も使いこなせる。ラグジュアリーなコンビ仕様にして、最高峰の機能性を発揮するクロノグラフ。まさにGSの伝統を継承する1本だ。
高級クロノの象徴、コラムホイール、垂直クラッチ採用
搭載するCal.9R86は、クロノの制御方式にコラム(ピラー)ホイール、伝達方式に垂直クラッチを採用。どちらもより精度の高い、高級クロノで採用される上位方式となる。